脊椎圧迫骨折 Spinal compression fracture

脊椎圧迫骨折とは
脊椎圧迫骨折とは背骨が押しつぶされて変形してしまう骨折で、骨が弱いお年寄りに多いのが特徴です。尻もちをつくなど転倒が原因で起こることもありますが、重い物を持ったり、せきやくしゃみをしたりなどのちょっとしたきっかけでなることもあります。知らないうちに背骨のつぶれが進行し、背骨が丸くなってしまうこともあります。

治療法
診断と治療は医師の仕事です。レントゲンやCT、MRIを使い診断します。
骨折が見つかれば、多くの場合はコルセットで固定して治します。骨が完全に治るまでは重い物を持ったり、前に強くかがんだりといった、背骨に負担がかかる動作は避けましょう。骨密度が少ない患者さんは担当の医師と相談して、骨粗鬆症の治療を受けることが重要です。
早期発見できればコルセットや薬物治療で治ることが多いですが、なかなか治りにくく、手術しなければならない場合もあります。手術は小さな傷で、骨折部分にセメントを注入する治療から、大きく切開して金具で固定する治療までさまざまです。手術法は患者さんの身体や骨折の状態によって決められます。
整体士が関与できる範囲は少なく、血流を良くして痛みを緩和するのが主な仕事ですが、骨粗鬆症の治療を受けている方も多く、注意が必要です。
施術法は圧迫の少ない標準滾法をメインとします。圧法などは厳禁ですし、体幹に異常がみられる方は施術をお断りするべきでしょう。

馬尾症候群 Cauda equina syndrome

腰痛には、ぎっくり腰のように突然おこる急性腰痛から、繰り返し起きる慢性腰痛症まで種々の症状があります。主な原因は姿勢やストレス、老化(糖化)などに由来する腸腰筋の血行不良です。普通、腰痛は1回の施術で完治するのが普通ですが、そうでない場合も往々にしてあります。整形外科などでレントゲン写真を撮っても異常がみられないことが多いですが、中には器質異常が進んで画像で診断できる場合もありますので、1回で治らないお客様は医師の診断を受けるようお勧めすることも必要です。

馬尾症候群とは

 そのような症状の一つとして、馬尾症候群 Cauda equina syndrome があります。脊椎にはパイプ状の神経の通り道(脊柱管)があり、その中には1本の脊髄と脊髄から分岐した31対の脊髄神経根が内包されています。脊柱管内の脊髄は、第1~2腰椎の高さで終わり、脊髄の下端から下肢へ延びていく脊髄神経根はしばらく脊柱管内を走行したあと、それぞれの高さから分岐します。この腰仙部の脊髄神経根の束は馬の尾っぽに似ていることから、馬尾と呼ばれています。

馬尾の解剖図(腰仙部の硬膜管の内部を背側から見たところ)

何らかの原因により馬尾全体が圧迫されて生じる重篤な神経症状(腰痛や下肢の神経痛・しびれなどの感覚障害、下肢の運動麻痺、尿閉や尿・便失禁、性機能障害など)を馬尾症候群といいます。主な原因には、巨大な椎間板ヘルニアや高度の腰部脊柱管狭窄症、脊髄・脊椎の腫瘍、硬膜外血腫(硬膜と脊柱管の間の血腫)や細菌の感染(化膿性椎間板炎や膿瘍)、外傷による損傷などがあります。

馬尾症候群の診断

馬尾症候群の診断は、医師が行いますが、問診(強い腰下肢痛がある、下肢の感覚が鈍い、足の力が弱い、尿が出ない)と、神経学的検査(筋力テスト、知覚テスト)および膀胱機能検査で診断します。さらに、レントゲン撮影、MRIなど画像検査を行えば、診断は比較的容易です。
原因として膿瘍や転移性腫瘍が疑われる場合には、血液検査や内臓疾患の有無を調べます。

馬尾症候群の治療

馬尾症候群の診断が確定すれば、医師による迅速な治療が必要です。馬尾の腫れを減らすために、ステロイド薬が投与されることがあります。圧迫を軽減する手術はできるだけ早く行わなければなりません。特に、急性に発症した腰椎椎間板ヘルニアや硬膜外血腫、脊椎破裂骨折などが原因の馬尾症候群は、24時間経過すると神経症状の回復が不良とされていますので、緊急手術の対象となります。一方、感染や血液・内臓疾患がその原因であれば、並行して原因となった疾患の治療を行います。