メニエール症候群の食事療法

メニエールを治す食事は、すばり言って「糖化防止食」です。
“糖化”が“老化”の原因であることはすでにお分かりの事と思いますが、前回の投稿で挙げた各筋肉は“糖化”により硬直しやすい骨格筋です。
糖化はアミノ酸と糖が結合してできるので、まずは体内のタンパク質が存在する部分に異常が現れます。例えば、人体のタンパク質の1/3は「コラーゲン」として存在しているのですが、実はこのコラーゲンは10種類以上の種類があり、骨や皮膚、軟骨、血管など全身に存在します。また、筋肉を構成する「エラスチン」というのも体内のタンパク質として重要です。筋肉は体を構成する骨格筋のみならず、胃腸や血管・尿管の太さを調整する平滑筋として内臓に分布していますが、今回はメニエール病の食事療法と言うことで骨格筋に特化してお話しします。

食事からのAGEs摂取を防ぐ
加熱調理などによって出来た、食品に含まれるAGEsの30%が食事によって体内に取り込まれます。つまり、肉、魚などを糖質と一緒に加熱調理してはいけません。

糖質の摂取をしない
 人間は胃でペプシンを分泌します。胃でペプシンを分泌する動物を肉食獣(肉食動物)と呼びます。動物には肉食動物と草食動物の2種類があり、巷で言われるような雑食動物などと言う分類はありません。人間は雑食動物であるなどと真顔で言う人は生物学の知識のない人なので相手にしてはいけません。
人間はチンパンジーと共通の祖先である肉食獣から800万年前に枝分かれしましたが、日本人が米を食べ始めたのは弥生時代である2,400年前です。
つまり7,997,600年は肉しか食べていないのです。人間の正しい食事は肉であるということを理解してください。食事で摂取した糖は36°Cの体温によりゆっくりと糖化します。つまり老化ですが、糖を過剰に摂取する人はメニエールになりやすいということです。本気でメニエールを治したかったら、まずは1か月間、糖を断ちましょう。
脳の学習効果により、その後は糖質を取らなくてもストレスにはならないでしょう。

メニエールになりやすい体質はお菓子禁止です
内リンパ嚢が発育不全で小さかったり、線維化して目詰まりが起こっているような状態である人が、メニエールになりやすいことが病理組織や手術所見などで確認されております。つまりメニエールになりやすい体質という者があるということです。幼少時に車酔いしやすかった人などは甘いお菓子は要注意です。

メニエール症候群の原因と治し方

 メニエール病は罹った人でないと解からない辛い病気です。インターネットで「メニエール病」と検索すると、主に医療関係のサイトがヒットします。それらのサイトで書かれている内容の多くは、メニエール病の原因や症状、発病した人の体験談などが多いです。しかし、メニエール患者が本当に知りたいのは「どうすれば治るか」なのですが、それにこたえてくれるページは見当たりません。何故ならばメニエール病のほんとの原因はお医者様でもわからない難病だからです。

メニエール病の原因は「内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)」であると言われていますが、何故そうなるかが解かっていないのです。ここでは永年メニエール症候群で苦しんだ筆者の体験と、整体士としての臨床施術経験からその原因を解き明かしたいと考え、投稿いたしました。もちろん、私の個人的意見ですから医学的エビデンスがあるわけではありません。ですが、私の10年に及ぶ整体施術における結果から、原因は血流不足による筋肉の硬化とそれに伴うリンパの滞留であると自信を持って言えます。現実に施術を受けた方々がすべて治っているからです。

 

メニエール病とはどんな病気か?


メニエール病は、めまいのときに難聴(耳の聞こえが悪くなる)、耳鳴り、耳がつまった感じなどの聞こえの症状を伴い、このようなめまい発作を反復する病気です。発作時のめまいは高度で、吐き気、嘔吐を伴う場合が多数ですが、意識の障害や言葉のもつれ、運動の障害を伴うことはありません。

難聴などの聞こえの症状は、発作後に軽快しますが、めまい発作を繰り返すたびに次第に増悪することがあります。発作の間隔は、週1回程度から年数回程度まで様々です。メニエール病のめまい発作は発症後1~2年位の間に軽快する症例が多数ですが、症例によっては数年以上にわたる例もあります。また、発作を繰り返すうちに難聴が回復せず、次第に高度となる症例があります。

メニエール病の治療は、発作時と発作後で異なります。発作時では、めまいと難聴への治療が主体となります。また、発作後ではめまい発作を予防し、発作の間隔ができるだけ長くなるように、色々な対策を講じます。

メニエール病の発作は、ストレス、過労、睡眠不足などがきっかけで起こる場合が多いので、これらをできるだけ避け規則正しい生活を送るようライフスタイルの見直しも重要です。発作の予防対策は薬物治療が主体ですが、発作が頻発する場合には種々の手術治療の対象となります。

なお、メニエール病の名称はフランス人医師メニエール(1799―1862)に由来します。メニエールは、それまで脳の病気で起こるとされていためまいが、耳(内耳)の病気で起こることを初めて報告しました。

内耳には①聞こえの細胞が詰まっている蝸牛と、②平衡機能を司る三半規管と耳石器があります。メニエール病の本態は三半規管の内リンパ腔の水ぶくれである内リンパ水腫であることは多くの証拠より間違いのない事実であると考えられています。問題は、この内リンパ水腫がなぜ生じるかです。先に原因は血流不足による筋肉の硬化とそれに伴うリンパの滞留と書きましたが、血流不足は頸板状筋と肩甲挙筋の硬直の結果です。椎骨動脈~脳底動脈が圧迫され内耳の血流が悪くなるのです。頸板状筋と肩甲挙筋の硬直は上部頸椎のズレを引き起こすこともあり、さらに血流が悪くなりますし、頭痛も起きます。
リンパの滞留は前斜角筋と胸鎖乳突筋の硬直によるリンパ管の圧迫によります。これは私自身が発作を抑えるにはどうすればよいかを試行錯誤の結果、得た結論です。具体的に言うと顎を引いて上から紐で吊るされたように頭を立てた姿勢を取ることで発作を抑えることが出来ます。この姿勢で前斜角筋と胸鎖乳突筋が緩むからです。推拿施術においては、根本原因である抗重力筋群を滾法で緩めるとともに、気功を用いて腸腰筋を緩めた後に頸板状筋、肩甲挙筋を緩め、前斜角筋、胸鎖乳突筋を緩めます。また、これらの筋肉は骨格筋であり糖化の影響を受けやすいので、食事指導は必須です。食事指導については後日また投稿します。

 

 

大切なので、改めて大腰筋

大腰筋 

文章の最初の部分は https://www.teamlabbody.com/3dnote-jp/dictionary/muscles/Psoas_major/からの転載です。
・起始: 浅層:T12-L4の椎体側面とそれらの間の椎間円板の側面 深層:L1-L5椎骨の肋骨突起 ・停止: 腸骨筋と合体して腸腰筋となり、大腿骨の小転子に停止する。 ・支配神経: 腰神経叢(L1-L3)からの筋枝 ・栄養血管: 腸腰動脈の腰枝 ・作用: 股関節:屈曲、外旋 腰椎: 両側:仰臥位から体幹を起こす 片側:腰椎は同側へ側屈する。

此処から本文です。
注目していただきたいのが上図の横から見た大腰筋です。恥骨にひっかかって、くの字に曲げられていますね、その上を恥骨靱帯が渡っています。

整形外科を始め、整骨院や針灸等、色々な所に行ったが治らず、ようやく当院に来られ、やっと治ったと喜んでおられる方が大勢いらっしゃいます。
その中で腰痛に関しては、腸腰筋症候群の方がほとんどですが、患者様により、症状に対する感じ方の表現方法が多様です。
腰痛等で、整形外科、整骨院、針灸マッサージ、その他の治療院に行くと、その日は楽になった様な気がするが、次の日、または2.3日後にまた痛みだすとおっしゃる方の場合、そのほとんどが腸腰筋症候群であり、もやもや血管による炎症を伴っているものと思われます。
腸腰筋症候群とは、骨盤内側にある腸骨筋と大腰筋が炎症を起こす症状です。腸骨筋と大腰筋の二つの筋肉を総称して腸腰筋と呼びます。
足・膝を上げるのは、大腿四頭筋の働きと思われる方が多いですが、実はこの大腰筋と腸骨筋の働きによるものなのです。また、この二つの筋肉は股関節を安定させる役割も担い、大腰筋は脊柱を安定させる働きもはたしています。
大腰筋の上の方は胸椎12番(胸の骨の一番下)から各腰椎(腰の骨)の横突起から始まり、大転子骨の裏側、大腿骨の小転子(上の方の内側)につながっています。腸骨筋は骨盤の腸骨(蝶々の羽の様に見える部分)の内側から始まり、大腰筋と同じく小転子につながっています。
腸腰筋はインナーマッスルであるため、腰の後側から直接触れませんので、お腹側から触ります。鼠径部の恥骨の真ん中あたりを触診した時、強い痛みを感じるが、内臓等に問題のないという場合、腸腰筋症候群が疑われます。発症される方は40代、50代以上の方が多いのですが、若い方でも発症します。
触診のポイントは、臀部の腸骨のヘリ辺り(ここは大殿筋が厚いので肘で押圧します)、鼠径部、内またの付け根の3か所です。レントゲンはもちろん、CT・MRI、いろいろな検査を受けても原因が見つからないケースがほとんどですので触診しかないのですが、近ごろのお医者さんは触診はしない方が多いようです。腰がだるく、股関節も痛いと表現される方や臀部の痛みを訴えられる方も多いです。
処置方法は、背中部と栄養血管周辺をもみほぐした後の腹臥位開片脚挙膝法、膝抱え、筋ポンプ体操などです。慢性化している方は、根気よく通っていただく必要があります。

また、腰というより、股関節痛、坐骨神経痛、膝痛、すね・ふくらはぎの痛み、足首から下の痛み等、腰から下の症状を訴えられる方もおります。

なぜ、腸腰筋が悪いと体の下の方の組織が悪くなるかと、腸骨筋の炎症のせいで、身体の下の方への神経の通り、血流も阻害され又、腸腰筋とつながりのある筋肉群の中の一つのライン・DFLに腸腰筋は繋がりがあり、内転筋群、後脛骨筋、長趾屈筋、足底部に繋がって以下の方の組織が影響を受け不調が現れます。
腸腰筋症候群の方の訴えられる症状としては、朝起きた時から腰から下が重たく、動き出してからは若干緩和されるが、疲労がたまったり、夕方になるとキツクなる。特に坐骨神経痛神経痛で重度な方は腸腰筋症候群を併発されている方が多い様です。その様な方は夕方になると足を引きずる様な状態になると言われます。なかなか治らない坐骨神経痛は腸腰筋症候群が隠れている事が多い様です。又、冷性、不妊、便秘等の原因にもなっています。

めまい、ふらつき、メニエール症候群の原因も上部頸椎のズレです。

めまい、ふらつき、メニエール症候群の原因も上部頸椎のズレです。
椎骨脳底動脈と言う名前の血管があります。頸椎の骨の中を通過して脳に血流を送っている動脈の名前です。7つの頚椎の左右の横突起を、それぞれ1本の椎骨動脈が串刺しのようにして頭蓋底の大孔という大きな穴まで上向し、そこで左右の椎骨動脈が合体して脳底動脈となり脳幹部、小脳、大脳の後ろ寄りに血流を送っています。
脳幹部は生命の維持に重要な部位であり、小脳は身体のバランス、大脳の後ろは視覚に関連が深いところです。したがって、椎骨動脈の血流が悪くなると、意識が無くなる、バランスがとれない、頭痛やめまいがするなどの症状がでてきます。

全身の血液量の分布は、動脈に20%、毛細血管に5%、静脈に75%と言われています。(参考までに体循環と肺循環の血液量の比は、約3:1です。)

何故、血流が悪くなるかと言うと、高齢者においては動脈硬化もありますが、一般的には椎骨動脈が通っている頚椎が変形して動脈を圧迫してしまうことです。整体の世界ではこれを「上部頚椎のズレ」と呼んでいるのです。
何故、上部頚椎のズレかと言うと、頚椎のズレを引き起こすのは前回の図のように、肩甲挙筋と頸板状筋であり、いずれも上部頚椎が起始または停止となっているのです。

心臓から出た血液は首を通り脳や感覚器へと送られます。首には主に「椎骨動脈」と「頸動脈」があります。このうち耳と大きく関係するのが椎骨動脈です。椎骨動脈は、連なる頸椎が形成する骨のトンネル(横突孔)を経路としています。

首の後部から頭蓋内に入ると左右の椎骨動脈は一旦、合流して1本の脳底動脈と名前を変えます。この合流地点の直ぐ先に左右に分岐する迷路動脈があり、これら左右の血管を通り内耳(三半規管)に血液が到達します。また、椎骨動脈・脳底動脈から、前・後小脳動脈という小脳へとつながる動脈が伸びています。

椎骨動脈が頸椎に強く圧迫されると、内耳や小脳への血流が不足します。また、椎骨動脈の内空が動脈硬化により狭くなる場合も同様です。他に、後縦靭帯骨化症、ストレートネックなども血流を阻害する原因となります。

メニエール病などは内耳の浮腫みによるめまいと言われます。その通りなのですが、筋ポンプは血流が充分でなければ押し出せないので、結果としてリンパ液が溢れるのです。

肩甲挙筋の栄養血管は背側肩甲動脈、頸板状筋の栄養血管は頚横動脈と後頭動脈です。結論として、首、肩、背中の全体を緩めれば、めまい、ふらつき、メニエール症候群は完治するということです。

頭痛の原因は上部頚椎のズレです。

”頭痛の原因”をgoogleで検索すると、様々な記事が出てきますが、

①首の付け根の血行不良が原因。

②頭蓋骨などの、「骨格」に原因がある。

③脳の血管が拡張することで、周囲の三叉(さんさ)神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して「片頭痛」を発症する。

④頭の横の筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することが原因で、筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きる。

⑤くも膜下出血や脳出血などの病気が原因で起こる。

などの説が多いようですが全部間違いです。
⑤は生命にかかわることもあるので注意が必要なケースですが、急激に激しい痛みがあらわれることが特徴で、慢性的な頭痛とは区別できます。

正解は”上部頚椎のズレ”です。その証拠は、頚椎のズレを治した瞬間に痛みが消えるからです。
何故、上部頚椎がズレるのでしょうか?・・・・・・ズレの原因は背中のコリです。直接の犯人は、肩甲挙筋頸板状筋です。肩甲骨の裏側(肩甲骨上角)から肩甲挙筋という筋肉が出て、頸椎の1,2,3番にくっついています。つまり起始が頸椎1.2.3番で、停止が肩甲骨上角と言うことです。
前かがみで腕を前に出した姿勢は肩甲骨を横に動かし、上部頚椎を引っ張ります。筋肉が柔らかければゴムのように伸びるので問題はないのですが、悪い姿勢を長く続けると肩甲挙筋は固くなり、伸びることが出来ずに、骨の方を引っ張ってしまうのです。肩甲挙筋や頸板状筋が固くなる原因の一つに”糖質の取りすぎ”=老化があります。つまりglycationです。

もう一つの犯人、頸板状筋は起始が背骨(第3-6胸椎の棘突起)で停止が上部頸椎です。左図のように肩甲挙筋と同じ場所(第1-4頚椎の横突起)に付いています。栄養血管背側肩甲動脈(肩甲挙筋)や頚横動脈後頭動脈(頸板状筋)であり、背凝り、肩凝りで血流が不足し、硬くなります。
尚、直接の原因以外に胸鎖乳突筋などは関連痛として、側頭部の偏頭痛を起こしますので、結論として、首・肩・背中の全てを緩めなければ血流は回復せず、完治にはならないということです。
繰り返しますが、頭痛は当会の会員店では1回の施術で完治します。

2~3回は通ってください・・・・・と言う整体院は要注意ですね。!

「後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症」

症状
この病気になると背骨の動きが悪くなり、体が硬い、背すじにこりや痛みを生じることがあります。しかし、このような症状は病気でなくても起こりますので、この症状だけでは病気かどうかの判断はできません。
注意が必要な症状は、神経(主に脊髄)が圧迫され神経の働きが低下して起こる、以下の脊髄症状です。

後縦靭帯骨化症で頚椎の脊髄が圧迫されると、手足のしびれ感(ビリビリ、ジンジンしたり感覚が鈍くなる)や手指の細かい運動がぎこちなくなり、しづらくなります(箸がうまく使えない、ボタンの掛け外しがうまくできない)。ほかにも、足がつっぱってつまづきやすい、階段を上り下りがこわくて困難などの歩行障害も出現してきます。

黄色靭帯骨化症でも同様の症状が出現しますが、骨化してくる部位が胸椎に多いので、その場合は足の症状だけで手の症状は出現してきません。
年齢的には40歳以降に発症することがほとんどで、男性にやや多く見られます。正確なデータは少ないですが、50歳以上の4.5%は黄色靱帯が骨化するとの報告があります。ただ、手術に至るような症例は10万人に1人程度で、脊椎の手術を受ける患者さん全体の1%弱であり、重症となるのは比較的まれな疾患です。
胸椎黄色靭帯骨化症の症状
黄色靭帯の骨化は、主に下位胸椎に起こりやすいため、手や腕などの上肢には症状が出ません。初期症状として、下肢の脱力やしびれ、こわばりが挙げられます。また、ときには腰背部の痛みや下肢の痛みが出現してきますが、痛みはない場合が多いです。数十~数百メートル進む度に休まないと歩けない(間欠性跛行/かんけつせいはこう)など、腰部脊柱管狭窄症と同様の症状が現れることもあります。重症になると歩行困難になり、日常生活に障害をきたす状態になります。
原因と病態
背骨の骨と骨の間は靭帯で補強されています。椎体と呼ばれる四角い骨の背中側で脊髄の前側には後縦靭帯が、椎弓と呼ばれる背中側の骨の前側で脊髄の背中側には黄色靭帯という靭帯が存在し、それぞれの骨に適度な動きと安定性をもたらしています。

後縦靭帯は脊髄の前方に位置し、黄色靭帯は脊髄の後方に位置するため、それぞれの靭帯が分厚くなって骨のように硬くなってしまうと脊髄が圧迫されて下記のような症状(脊髄症状)が出現してきます。前者は後縦靭帯骨化症と言い胸椎にも出現しますが頚椎に多い病気で、後者は黄色靭帯骨化症と言い逆に胸椎に多い病気です。

後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症
後縦靭帯骨化症(左)と黄色靭帯骨化症(右)

診断
頚椎に多い後縦靭帯骨化症は通常のX線(レントゲン)検査で見つけることができますが、胸椎に多い黄色靭帯骨化症は通常のX線検査では診断が困難なことが多いです。
通常のX線検査で診断が困難なときは、CT(コンピューター断層検査)やMRI(磁気共鳴撮像検査)などの精査が必要になってきます。CTは骨化の範囲や大きさを判断するのに有用で、MRIは脊髄の圧迫程度を判断するのに有用です。

予防と治療
この病気を完全に予防することはできませんが、症状の悪化を防ぐためには日常生活で以下の点に注意してください。

頚椎後縦靭帯骨化症では、首を後ろに反らせすぎないこと、仕事や遊び、泥酔などにより転倒・転落することで脊髄症状が出現したり悪化したりすることがあり、くれぐれも注意が必要です。前述のような脊髄症状のため日常生活に支障があり、画像上脊髄にある程度の圧迫があれば手術が必要です。頚椎の後縦靭帯骨化症に対する手術法には、首の前を切開する前方法と後ろ側を切開する後方法があり、各々に長所と短所が存在します。

脊椎圧迫骨折 Spinal compression fracture

脊椎圧迫骨折とは
脊椎圧迫骨折とは背骨が押しつぶされて変形してしまう骨折で、骨が弱いお年寄りに多いのが特徴です。尻もちをつくなど転倒が原因で起こることもありますが、重い物を持ったり、せきやくしゃみをしたりなどのちょっとしたきっかけでなることもあります。知らないうちに背骨のつぶれが進行し、背骨が丸くなってしまうこともあります。

治療法
診断と治療は医師の仕事です。レントゲンやCT、MRIを使い診断します。
骨折が見つかれば、多くの場合はコルセットで固定して治します。骨が完全に治るまでは重い物を持ったり、前に強くかがんだりといった、背骨に負担がかかる動作は避けましょう。骨密度が少ない患者さんは担当の医師と相談して、骨粗鬆症の治療を受けることが重要です。
早期発見できればコルセットや薬物治療で治ることが多いですが、なかなか治りにくく、手術しなければならない場合もあります。手術は小さな傷で、骨折部分にセメントを注入する治療から、大きく切開して金具で固定する治療までさまざまです。手術法は患者さんの身体や骨折の状態によって決められます。
整体士が関与できる範囲は少なく、血流を良くして痛みを緩和するのが主な仕事ですが、骨粗鬆症の治療を受けている方も多く、注意が必要です。
施術法は圧迫の少ない標準滾法をメインとします。圧法などは厳禁ですし、体幹に異常がみられる方は施術をお断りするべきでしょう。

推拿・治癒理論Ⅳ

脳の筋肉制御(ロック)について

筋肉には、強い負荷がかかったときなどの損傷を防ぐため、極度な伸張や収縮にブレーキをかけるメカニズムがある。この安全メカニズムを担うのが、筋紡錘と腱紡錘である。筋紡錘は伸びすぎを、腱紡錘は縮みすぎをコントロールする。

-筋紡錘の役割がかっけの検査でわかる-
筋紡錘は筋肉を作っている筋線維の中にあるセンサー。筋肉が引き伸ばされると、その長さを感知。脊髄に情報を送る。そして、筋肉が伸びすぎて断裂しないように、縮むように指令を出すのです。これは伸張反射と呼ばれる。

筋紡錘の役割がよくわかるのが、かっけの検査である。足が地面に着かない状態で椅子に座って、ひざ下を叩いて瞬間的に足が上がるかを調べる検査。これは膝外腱反射と呼ばれるものである。

膝外腱を叩くと、大腿四頭筋が瞬間的に引き伸ばされる。これを筋紡錘が感知して脊髄に伝えることで、大腿四頭筋に縮むように指令が出るというわけ。こうして、ひざ下部分が跳ね上がるわけである。

-筋紡錘や腱紡錘が無意識に働いている-
ちなみに、伸張反射は脊髄のレベルごとに分担が決まっている。大腿四頭筋はおもに脊髄の中でも腰椎に伝達。そのなかの第4腰神経が担当している。

筋肉に無理な力がかかると筋肉は傷つかないように硬く縮んで筋肉や関節を守ろうとする。硬くなってしまった筋肉には酸素が入りにくくなる。

-酸素欠乏になった筋肉が酸素不足を脳に伝え、脳が痛みを感じる仕組み-
酸素欠乏になった筋肉に血管を拡張させる物質「ブラジキニン」が発生し、同時に発痛物質を脳に送る。脳が受け取った痛みの物質で私たちは痛みを感じるのである。

あるいは筋肉が硬く伸び縮にしにくくなった状態で関節を動かそうとすると関節が壊れるような力がかかり危険信号としての痛みが出る。

筋肉を護るためのスイッチである筋紡錘からの異常信号によって筋線維が縮む。
この脊髄反射が慢性化して脳が筋肉を制御し続ける状態を筆者は「脳の筋肉ロック」と呼ぶ。
硬くなった筋肉を元に戻すのは簡単である。一旦、緩ませればいいのだ。
時間は1分半(~1分40秒)だ、もしくは拮抗筋を5秒ほど緊張させる。両方併用すればさらに良い結果となる。痛みも危険性も全くない、とても安全な手技である。

脳の筋肉制御(ロック)が解除されると筋肉は元の柔軟さを取り戻し酸素と栄養がちゃんと供給されるようになる。酸素と栄養が筋肉に届くようになるとブラジキニンは消えてなくなり痛みは感じなくなる。

自由に動けるようになって痛みも無く、体も軽く痛みやこり、体調不良が軽減しそれらを感じていたことによるストレスが激減する。

同じように、腱にも腱紡錘というの伸展を感知するセンサーがある。腱紡錘は、これ以上、縮みすぎて負荷がかかると筋肉や腱が断裂するという危険を回避。筋肉を弛緩させる指令を出すのです。これは自己抑制と呼ばれる。

私たちの体は、無意識のうちに筋紡錘や腱紡錘が働いてバランスをとっているというわけだ。筋紡錘と腱紡錘の感度は脊髄が調節している。腱紡錘のほうがセンサーの感度が高いため、日常的には筋紡錘と腱防止が同時に働くことはない。つまり、正常なら筋肉は適度に緩んでいるということだ。

10.筋の収縮

§1.骨格筋の構造

 筋は興奮膜によって覆われている上に、細胞質内に収縮のためのタンパク質を持っている。筋は組織的に、横紋筋(striate muscle)と平滑筋(smooth muscle)にわけられる。前者に骨格筋・心筋、後者に内臓筋が属す。この章では主として、骨格筋について述べる。
骨格筋は多数の筋線維(muscle fiber; muscle cell)から成り立つ。筋線維は直径10~100μ、長さは数μ(昆虫の飛翔筋)から1m(キリンの筋)にわたる。筋線維は形質膜である筋鞘(scrcolemma)、筋形質arcoplasma)、及び数百~数千ある筋原線維(myofibrils)から成立つ。

(図10-1) 肉眼から分子レベルまでの骨格筋構成の模式図。F,G,H および I は 指示されたレベルの横断像を示す。(Sylvia Colard Keeneによる図)。

骨格筋線維を位相差顕微鏡下に見ると横紋がみられ、光を強く複屈折するA帯
と光を弱く複屈折するI帯に分けられる。A帯の中央部には比較的明るく見えるH帯、I帯の中央には細い暗い縞として見えるZ帯がある。Z帯間の長さは2μで筋節と呼ばれる。
これらの横紋構造は、電子顕微鏡及びX線解析で調べた結果、太さの異なる2種類の筋フィラメントが規則正しく配列することによって生じることがわかった。すなわち、A帯のうち、H帯では太いフィラメントのみ、H帯以外では太いフィラメントと細いフィラメントが存在する。I帯は細いフィラメントのみが存在する。このことから、太、細2種のフラメントは、図10-1のように配列していると考えられている。
太いフィラメント(直径100Å、長さ2μ)は、一端がふくれ、オタマジャクシ
状のミオシン分子が約200重合したものである。その頭は400Åごとに細いフィラメントに向かって突出している。その先端にはATPが存在する。細いフィラメントは(直径60~70Å、長さ1.6μ)、球状のアクチン分子がトロポミオシン骨格の上に鎖状につながり、それがさらに2本からみあって、2重らせん構造となったものである。さらに所々に球状のトロポニンがある。
(これが、アクチン、ミオシンの相互作用を調節している)このフィラメントの
中央部がZ帯に付着している。
更に筋には小胞体(endoplalsmic reticulum)が発達している。(図10-2)
Z帯の所で、形質膜から横行小管(transverse tubules)が、筋の長軸に垂直に
線維内部にはいる。一方、筋小胞体は、筋フィラメントに沿って筋の長軸方向に
走り、後槽(terminal cisterm)となって、横行小管と接している。両者はつながってはいない。この接触部を三連構造(triad)という。

<図10-2>両生類骨格筋の筋細線維周囲の筋小胞体の分布の模式図。縦向きの 筋小胞体は終末槽と呼ばれる横向き成分と連続している。筋細胞膜から内方への び出す細い横細管(T細管)は2つの終末槽により狭まれ、網状をなす筋小胞体のい わゆる三ツ組をつくる。この位置と筋細線維の横紋様式との関係は動物の種類に よって異なる。カエルでは、ここに求されるように示されるように、三ツ組はZ 線のレベルにある。哺乳類の筋では各筋節に2個あり、A-1境界に位値してい る。(L.Peachey,: J.Cel1 Biol.,25:209,1965にしたがって改写。D.W.Fawcett and S.McNuttから.Sylvia Colard Keeneにより描かれた) 

§2.筋の興奮と収縮

 音血動物の筋線維が、終板を介して、或は、直接に興奮したとき、その興奮は約5m/秒の速度で電導し、筋線維全体に広がる。約3ミリ秒遅れて収縮が生じる。1回の興奮によって生じた収縮を単収縮(twitch)という。
単収縮には、筋の一端を固定し、他端に荷重をつけ、自由に動くようにした状態で収縮させる等張性単収縮(isotonic twitch)と、筋の両端を一定の長さに固定して収縮させる等尺性単収縮(isometric twitch) がある。後者の最大張力
発生までの時間は、前者の最大単縮発生までの時間より早い

(図10-3)等尺性収縮で最大張力に達する時間は、0筋によって異なる。速く動かなければならない筋は速い。逆は逆。眼筋は10msec、腓腹筋は30msec、ヒラメ筋は100msecである。

<図10-3>活動電位(A)、等尺単収縮(B)と等張カ性単収縮(C)の時関 関係の比較 等尺性収縮の方が最大値に達する時間が早く、全体の持続時間が長い。B中の点 線は遅い筋のもの。 

§3.興奮-収縮連関

 形質膜に生じた活動電位が収縮を引き起こ0すとき、収縮の開始は、活動電位発生より数ミリ秒きり遅れない。この時間はある物質が形質膜から筋原線維まで拡散していくには小さすぎるという。そこで上述の構造を基にして、形質膜の興奮発生から、筋原線維の収縮までの過程は、次のように考えられている。
a)筋の形質膜に興奮が生じる。
b)その興奮は横行小管を介して筋線維の深部に伝えられる。
c)その結果、筋小胞体内のCa++が細胞質内へ遊離する。
d)細胞質内のCa++濃度が10-8Mまで高められると、Mg2+の存在下で
ミオシンの頭にあるATPが活性化される。
静止時、①トロポニンはアクチンと結合、また、②トロポミオシンは
アクチンとミオシンの頭が結合する位置を覆っている。
Ca++によって①の結合が緩み、それによって②の覆いがなくなる。
e)そのエネルギーによって、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが
相互に滑走(slide)し、その結果収縮が生じる。

<図10-4>Caイオンによる筋収縮の開始。連結橋(ミオシンの頭)はアクチ ン上の結合部(斜線部)に付着し、CaイオンとトロポニンCの結合によりトロ ポミオシンが側方へ移動したとき、回転する。(Modified from Katz AM: Conges- tive heart failure. N Engl J Med 1975:293:1184.) 

f)脱分極が終了すると、Ca++が筋小胞体内に能動的にくみ取られ、筋形質内の
Ca++が10-8Mまで下がる。この過程は、ATPの存在下に於て初めて可能
となる。(ATPの弛緩作用)そのため、ミオシンの頭は、アクチンから離れ、
相互位置をもとにもどす。(図10-5,6)
ミオシン分子の2つの頭の機能 医学のあゆみ 165(8)7317321978

<図10-5>説明なし <図10-6>説明なし 

§4.興奮-収縮連関過程の実験的証拠

 イ)横行小管を介しての興奮の波及は、次のことからいわれる。
a)微小電極を使って、筋表面を電気刺激する(図10-7)。いま、電極尖端がz膜近傍にある時は、刺激の強さに応じて次第に内部に広がる局所興奮が
生じる。刺激部がz帯から離れると何の効果もあらわれない。このことにより、z帯に開口部を持つ横行小管が興奮の深部波及に役立っている、と推論される。
b)グリセリン等で小管系を破壊すると、興奮は生じるが収縮は生じなくなる。
ロ)収縮と弛緩が、Ca++の筋形質内の増加と現象とに密接な関連を持っていることは、次のことからわかる。ferritin(Acquorin)は、Ca++の濃度が増加するに従って、その傾向が増加する性質を持っている。筋にFerritinを与えた後、脱分極させると、蛍光が急増する。このことから、Ca++が筋形質に増大していることがわかる。また、弛緩した筋の終槽から高濃度の
Ca++が検出されている。
ハ)ATP、Mg++がなければアクチンとミオシンの結合が生じない
(グリセリン筋の実験)。
ニ)アクチン、ミオシンフィラメントの滑走;等張性収縮をさせながら、
位相差顕微鏡で筋線維の横紋構造を見ると、次のようになる。A帯は収縮、
弛緩時でもその長さ一定。Hたいのみ収縮時にその長さが小となり、それと
同じ長さだけI帯が狭くなる。このことは、フィラメントの長さは変化せず、
互いの位置が滑走したことによってずれた証拠となる。
ホ)ATPの弛緩作用;エネルギーの供給が不足して、筋のATP濃度が
減少すると、筋は弛緩しなくなり、硬直(rigor)におちいる。

<図10-7>カエルの筋線維表面の脱分極による局所収縮。収縮は、c図に黒い 点で示されたZ帯に沿って刺激した時にのみ生じた。 

§5.緊張と張力

 筋収縮のパターンは種々条件で変わる。以下数節にわたりこれについて述べる。
静止している横紋節に負荷を与えると、始めの長さの1.8~2.0倍まで伸ばすことができる。この時伸展の程度に応じて張力が発生する。これを静止張力(Passivetension)という。伸展-張力の関係は、伸展のごく狭い範囲を除いて、Hookの法則に従わない。すなわち、ヒステリシスをもっている。これは筋に弾性と共に粘性があるためである。
筋が収縮する際に発生する張力を、活動張力(active tension)という。
活動張力は筋長が極端に小のときも、極端に大のときも小さい。その中間の長さで
最大の張力を発生する(図10-8)。

<図10-8>張力長さ曲線(静止伸展曲線)と等尺性最大張力 

 このことは、筋フィラメントの構造から次のように説明できる(図10-9)。
筋長の長いときは、アクチンとミオシンフィラメントが重なっている部分が
ほとんどない。従って、両者間に生じる橋の数が小となり、力の発生が少ない。
また、筋長が極端に短いときは、アクチンとミオシンフィラメントが中央に入りすぎて互いに干渉するか、ミオシンフィラメントがZ帯にぶつかるため、力の発生が少ないと考えられている。

<図10-9>種々の筋節の長さにおいて発生する最大等尺性張力 “筋長固定法length clamp”の実験により得られた一定の筋節の長さに対する等尺 性張力の関係。  縦軸:最大の張力を1.0とした場合の等尺性張力の相対値。  横軸:単一筋節の長さ。右方の挿入図A・B・C・D・Eに示された筋節長は 横軸上の矢印で示されている。(説明本文)Gordon.A.F.Huxley, Julianによる)。 

§6.筋の短縮速度と張力

 筋収縮の速度と発生する張力は、反比例する(図10-10)。筋がごくわずかに短縮するときは、発生する張力大であり、負荷が僅かなときは、短縮が速い。
これは、滑走速度が速いときは、ミオシン、アクチンフィラメント間に単位時間内に形成される橋の数が少ないためであると考えられている。

<図10-10>筋短縮速度と負荷(荷重)との関係 

§7.収縮の加重・強縮(tetanus)

 筋の張力発生は、筋のくりかえし興奮によって大きく変化する(図10-11)。
単収縮では、約5-10msecで張力が最大に達し、その後もとにもどる。もどる前にもう1つの刺激を加えると、単収縮より大きな収縮が得られる。この現象を単収縮の加重(summation)という。
刺激の数を増し、5~10回/秒の刺激を与えると、加重が次々に生じ連続的な大きな収縮が生じる。これが強縮である。一見変動のない一様な収縮(図10ー11、
125回/秒)を完全強縮(complete tetanus)、単収縮が融合せず、動揺するのを不完全強縮(incomplete tetanus)という。完全強縮時には、張力発生は単収縮時の
2~5倍に達し、収縮量は全長の50-80%に達する。このような強縮が、生体内で生じている筋収縮のパターンである。
強縮時の張力発生が大きくなることは、弛緩する前に、また短絡が生じるので、
筋フィラメント相互の移動がないためであると説明されている。

<図10-11>単収縮から完全強縮に至る加重 

§8.反復刺激と筋疲労

1秒1回程度の頻度で筋を直接刺激すると、収縮高は初めの2~3回、次第に
増大する。これを階段現象という。筋形質内のCa++の増加による興奮-収縮連関の促進による。
更に、筋の繰り返し刺激を続けると、短縮高は次第に減少し、同時に収縮弛緩過程の遅延が生じる。この現象を筋の疲労という。このような現象は、筋への酸素供給が悪いとき早く起こり、又元に復帰するには酸素の供給が絶対に必要である。
疲労した筋では、
(a)膜の興奮性低下、
(b)興奮-収縮連関の能率低下、
(c) 化学エネルギーを機械的エネルギーに変換する効率の低下、
(d)エネルギー源の枯渇、
(e)乳酸発生により代謝全体の遅延
がみられる。
J gen Phyusiol. 72:593-606,1978.

§9.異常収縮

(イ)律動性収縮(rhythmic contraction):Ca++を除いた等張性食塩水に筋を
入れると、Ca++ induced K+ permeability が消失し、形質膜のNa+に対する
相対的透過性が増大し、反復興奮が生じる。その結果、収縮が律動的に現れる。
これを律動性収縮という。
上皮小体機能が低下すると、血中のCa++濃度が低下する。従って、筋は反復興奮し持続的な興奮が生じる。これをテタニー(tetany)という。
歯をくいしばり、咽頭筋、呼吸筋の持続的収縮のため窒息する。手はテタニー
特有な助産姿勢(Trousseau’s sign)をとる。
(ロ)拘縮(contracture):活動電位なしで生じる持続性、非伝播性の可逆的収縮を言う。KClの等張液につけると形質膜の持続的脱分極により拘縮が生じる。
これは2~3分で消失する。また、カフェインは筋小胞体に直接作用して、
Ca++を筋形質内に遊離させ拘縮が生じる。そのほか、アセチルコリン、
キニン、ニコチン、ヴェラトリン、酸、アルカリ等によって生じる。
(ハ)硬直(rigor):筋実質の崩壊により筋が硬くなり、興奮性を失った状態を
硬直という。硬直には次にものがある。
i) 熱硬直(heat rigor) 40~60Cの加温によって生じる。
ii) 水硬直(water rigor) 筋を水にひたすと、水が筋内に入って硬直を起こす。
iii)死後硬直(rigor mortis)死後通常2~3時間後に生じる。グリコーゲンの
分解による乳酸の生成、及びATPが加水分解されなくなるために、アクチン
とミオシンが、結合したままになることによるという。その後、24~48時間
たつと、蛋白の変性により緩解が生じる。
(ニ)その他の筋疾患。不動作性萎縮(disuse atrophy)のときは、筋張力が低下する。
反対に、活動性肥大(functional hypertrophy)がある。筋線維の数は一定で、
一本一本の筋が太くなる。

§10.筋収縮のエネルギー

筋収縮のエネルギーは、すべての生体のエネルギーがそうであるように、リン酸結合としてたくわえられる。すなわち、解糖酸化の結果生じた高エネルギーのリン酸結合は、ATPとなり、さらにクレアチンリン酸として貯蔵されている。
このリン酸結合に蓄えられたエネルギーはエネルギー伝達体を介して筋肉の収縮を起こす。化学的エネルギーから機械的エネルギーの効率は20~25%であり、あとは熱となり体温の維持に役立っている。(図10-12)

<図10-12>説明なし 

§11.平滑筋

平滑筋細胞は、横紋筋より一般に小さい。直径4-8μ、長さ20~100μ
(妊娠子宮15μ*500μ、血管2μ*80μ)。また、筋フィラメントは規則正しく
配列せず、横紋構造を欠く。
平滑筋は、内臓平滑筋(visceral smooth muscle; 単一平滑筋 unitary smooth
muscle)と多単位平滑筋(multi-unit smooth muscle)とその中間のもの(精管vas
deferens)に分別される。

§12.単一平滑筋

胃、腸管、子宮、尿管などの平滑筋。筋細胞管に電気抵抗の低い接合部(gap
junaction or nexus)が存在し、シンシチウム(syncytium;合胞体)として働く。
常に活動しているので、真の静止膜電位不明。比較的非活動時で-50~-60mV
である。活動電位は大きさ90mVに達することもあり、また1~3mVのように小さなこともある。0.05~0.5secのplateauが見られることもある。活動電位はCa++
スパイクである。一個の細胞に発生した活動電位は gap junction を介して全細胞に波及する。この種の平滑筋においては種々因子が膜電位に影響をあたえている。
1)伸展すると筋は脱分極する。
2)ある程度の神経支配がある。アセチルコリンで脱分極、アドレナリン又は
ノルアドレナリンでは脱分極(α型)、あるいは抑制(β型)。
3)ホルモンの影響を受ける。例えば子宮筋は、エストロゲンで膜電位は減少し、
プロゲステロンで膜電位は増大する。
4)自動性をもつ。歩調とり細胞があり、それが引金となって興奮が生じると
考えられるが、特定の歩調と利細胞の分化は見られない。
収縮はCa++を介して生じるが、小胞体を欠いているので、活動電位が発生
してからCa++が細胞内に流入するため、活動電位発生から収縮開始までに約
200msecかかる。
平滑筋は一定の強さの短縮状態を示している。これを緊張という。緊張は
多くの場合は、繰り返し生じる活動電位による収縮の加重によって生じる。
興奮の繰り返し頻度が低ければ周期的収縮を引き起こす。

§13.多単位平滑筋

立毛筋、毛様体筋、瞬膜、動脈の筋。
1)筋細胞管の接合部がない。興奮非拡散
2)一本の交感神経線維は多数の筋細胞を支配。しかも他の交感神経線維からの
支配も受ける(close contact)。自動性がなく、交感神経の指令によって興奮
する。

§14.平滑筋の収縮

一般に収縮の時間経過が遅い。アクチン、ミオシン、トロポミオシンは存在
する(トロポニンはない)。アクチン・フィラメントは見られる。ミオシンは、
フィラメントは見られず、軽鎖(light chain) として存在する。収縮・弛緩は、
次のようにして生じると言われている。
a)ミオシンは脱リン酸化して存在(これでF-アクチンと反応しない)。
b)いま、Ca流入。カルモジュリン(Calmodulin)と結合。すると、
c)ミオシン軽鎖リン酸化酵素(myosin light chain kinase)を活性化。それで、
d)ミオシンをリン酸化(ATPと結合)。
e)リン酸化したミオシンは、F-アクチンと結合。->収縮。
f)Ca濃度が、10-7 M 以下。カルモジュリンからCa離れる。不活性化。弛緩。

※図の説明
図10-1 肉眼から分子レベルまでの骨格筋構成の模式図。F,G,H および I は 指示されたレベルの横断像を示す。(Sylvia Colard Keeneによる図)。

図10-2 両生類骨格筋の筋細線維周囲の筋小胞体の分布の模式図。縦向きの 筋小胞体は終末槽と呼ばれる横向き成分と連続している。筋細胞膜から内方への び出す細い横細管(T細管)は2つの終末槽により狭まれ、網状をなす筋小胞体のい わゆる三ツ組をつくる。この位置と筋細線維の横紋様式との関係は動物の種類に よって異なる。カエルでは、ここに求されるように示されるように、三ツ組はZ 線のレベルにある。哺乳類の筋では各筋節に2個あり、A-1境界に位値してい る。(L.Peachey,: J.Cel1 Biol.,25:209,1965にしたがって改写。D.W.Fawcett and S.McNuttから.Sylvia Colard Keeneにより描かれた) 

図10-3 活動電位(A)、等尺単収縮(B)と等張カ性単収縮(C)の時関 関係の比較 等尺性収縮の方が最大値に達する時間が早く、全体の持続時間が長い。B中の点 線は遅い筋のもの。 

図10-4 Caイオンによる筋収縮の開始。連結橋(ミオシンの頭)はアクチ ン上の結合部(斜線部)に付着し、CaイオンとトロポニンCの結合によりトロ ポミオシンが側方へ移動したとき、回転する。(Modified from Katz AM: Conges- tive heart failure. N Engl J Med 1975:293:1184.) 

図10-5 説明なし 

図10-6 説明なし 

図10-7 カエルの筋線維表面の脱分極による局所収縮。収縮は、c図に黒い 点で示されたZ帯に沿って刺激した時にのみ生じた。 

図10-8 張力長さ曲線(静止伸展曲線)と等尺性最大張力 

図10-9 種々の筋節の長さにおいて発生する最大等尺性張力 “筋長固定法length clamp”の実験により得られた一定の筋節の長さに対する等尺 性張力の関係。  縦軸:最大の張力を1.0とした場合の等尺性張力の相対値。  横軸:単一筋節の長さ。右方の挿入図A・B・C・D・Eに示された筋節長は 横軸上の矢印で示されている。(説明本文)Gordon.A.F.Huxley, Julianによる)。 

図10-10 筋短縮速度と負荷(荷重)との関係 

図10-11 単収縮から完全強縮に至る加重 

図10-12 説明なし