ヒプノセラピー基礎講座Ⅲ 催眠導入法

いよいよ、催眠導入の実践です。
優れた催眠療法士はどこが優れているかと言うと、誘導の速さと見極め力です。優れた催眠催眠療法士は、短時間でトランスを深めて現象を起こすことができます。そして、被験者の反応を見て、被験性の見極め、どのようなタイプなのかを見極めることに長けています。導入技術は経験がものをいうので、徹底的に練習してください。

 顕在意識に邪魔をされないための二種類の方法 のところで、
1.潜在意識(感覚など)を活発にして顕在意識に弱まってもらいトランス状態に誘導する・・・・・というのがありました。これを具体的に行うのが呼吸法です。
呼吸法は、気功やヨガ、座禅などで用いられるものと同じものです。その機序を説明します。
呼吸を始め、内臓の活動をコントロールしているのは自律神経です。
自律神経は一言でいうと、内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経です。
自律神経は、すべての内臓、全身の血管や分泌腺を支配しています。
知覚・運動神経と違って、私たちの意思とは関係なく独立して働いているので、内臓や血管を私たちの意思で自由に動かす事は出来ません。
反対に、意識しなくても呼吸をしたり、食べたものを消化するため胃を動かしたり、体温を維持するため汗をかいたりするのは、自律神経があるからです。
自律神経には、交感神経(起きている時の神経・緊張している時の神経)と副交感神経(寝ている時の神経・リラックスしている時の神経)があります。
この二つは、一つの器官に対して互いに相反する働きをしています。
肺においては呼吸(息を吐く動作)を副交感神経が行います。の動作は交感神経が行います。このことは息を吐き続ければ副交感神経が優位になることを意味します。の動作を細く永く行い、の動作を短くおこなうことで長時間にわたり副交感神経優位を保つことが可能です。副交感神経が優位になると、右脳が活発に働き、左脳にある46野は機能が弱まります。その結果トランス状態に入りやすくなるのです。
 気功やヨガ、座禅などは腹式呼吸にこだわります。それは横隔膜(遅筋)の運動で脂肪が燃え、おなか(丹田)が温かく成るからです。理想ではありますが、副交感神経が優位になると毛細血管が開き全身が温かく成るので、催眠においてはこだわる必要はありません。クライアントにひたすら息を永く吐く指導をするだけで良いのです。これは後に出てくる自律訓練法の背景公式に当たります。

催眠法を行う際に催眠療法士が必ずと言ってよいほど最初に行うのが観念誘導と呼ぶ観念運動を使った催眠への導入です。必ずしなくてはいけないわけではありませんが、観念運動をおこない被験者自身が不思議な感覚を認識することで催眠導入が容易になるからです。よく実践される観念運動で代表的なものに”シュヴリュルの振り子”があります。
他によく使われる導入としてはお祈りしているように両手を組み合わせて人差し指同士を伸ばしてから指同士の間隔を離すと勝手に指同士がくっついてしまうというものもあります。しかしこれは人体の構造を利用したものであって厳密にいえば観念運動で起こる現象ではありません。しかしながら、観念運動や人体構造における現象を被験者に催眠暗示によるものと誤認させて行うことで脳を催眠状態に誘導しやすくする技法を慣習的に観念誘導法と呼んでいます。

 意識の集中も潜在意識(感覚など)を活発にして顕在意識に弱まってもらうための大事な要素です。視覚、聴覚、触覚などの外部刺激に注意を集中させると、いわゆる気を取られた状態で注意力、判断力が鈍ります。これらは、「一時的に 顕在意識=46野 によそ見をしてもらう」にも該当します。ペンライトを使った「凝視法」や抑揚の無い単調な口調で延々と注意を引き付け、時にはわざと無言になり、不安を煽ることで集中度を高める「話法」も良く使われます。腕や脚などを撫でて触覚に意識を集中させる「撫擦法」などはTV等でご覧になったこともあるでしょう。要は1点に意識を集中させることにより考える隙を与えないという方法が一時的に顕在意識によそ見をしてもらうということです。また、顕在意識=46野は単調な刺激や作業が苦手です。これを利用した例に「揺動法」があります。数を数えながらゆっくりと体を揺することを繰り返すと46野は思考を停止します。これらの技術を臨機応変に組み合わせ、催眠に誘導します。

この段階ではクライアントは判断力は弱まってはいるものの、意識はしっかりしていますので、催眠にかかったという自覚は無いのが普通です。ですがこの段階でもすでに暗示は有効なので、これ以降は暗示を使い、催眠を深化させます。

ヒプノセラピー基礎講座Ⅱ

催眠下とそうでない状態の違いをフロー図に表してみました。

つまり、脳の判断において最高司令部である前頭前野の46野が機能しない状態であれば、暗示が有効となるわけです。

ポイントさえ押さえれば「催眠法は誰でも習得できる技術」です。
そのポイントとは、46野を制御する技術です。
前回記述した、顕在意識に邪魔をされないための二種類の方法
1.潜在意識(感覚など)を活発にして顕在意識に弱まってもらう。
2.一時的に顕在意識によそ見をしてもらう。
の顕在意識とは、46野の事だったのです。
 念のため断っておきますが、「催眠法」(昔は催眠術と言いました)は、ヒプノセラピーとイコールではないということです。催眠法の技術を習得して、暗示で「はい、貴方は今日からタバコを止めました」と暗示を入れてもタバコはやめられません。催眠の技術を応用して、心理学的に活用していくのがヒプノセラピーだと理解してください。

次回は催眠導入法について具体的に記述します。

ヒプノセラピー基礎講座 Ⅰ

 

推拿整体においては、脳の働き、とりわけ潜在意識に関する知識も必要です。何故ならば、筋肉、血管、神経を支配しているのは脳であり、脳は意識に反して、思わぬ行動に出ることもあるからです。
したがって、今回はその基礎としてHypnotherapyを学びます。

ヒプノセラピー(催眠療法・Hypnotherapy)について

文責:古田島 正敏
(許可無く転載を禁止します)

ヒプノセラピー(催眠療法)とは、催眠状態を利用し悪い癖や習慣を治したり、心の問題の軽減や改善などを行う療法である。

現在では、スポーツの世界や企業のメンタルトレーニング、イメージトレーニング、リラクゼーションなど、日常的に催眠療法を利用している。

 

催眠療法(ヒプノセラピー)をおこなうということは、

自分の意思で、意図的に催眠状態に入り、自己の潜在意識に目を向け、自分にとって必要な場面や状態を感じ、自分自身がマイナスの感情や不必要な事柄を理解納得し、取り除くことで本来の自分を取り戻すと共に心を癒し、自己啓発するということである。

 

催眠療法の最も優れた特徴

催眠療法の最も優れた特徴は、自分自身が感じ、経験する事で、自分自身が納得し、ポジティブな考え方に変わるということにある。

 

自分自身が自然な感じで変化する(第三者から説得されて行動させられる訳ではない)ので、自分自身が変わったことに気づかず、周りが変わったと錯覚してしまう。

 

催眠(Hypnotherapy)についての昔の催眠術のイメージ:

テレビの影響で自分の意志に反して相手のいいなりになって操られてしまう。

魔法にかけられて意識を失い、何をしていたか分からないというイメージ。

 

催眠(Hypnotherapy)の実際:

五感が鋭くなり集中力も増す。

顕在意識と潜在意識が繋がることによって起こる変性意識状態である。

言いたくないことは言わず、したくない事はしない。

自分の意志ですべての行動をする。(その選択が気持ちがいいから)

催眠療法士にとって、その技が優れていれば いるほど ヤラセっぽく見える のが悩みの種

 

催眠とはどんな現象か

人間の心は顕在意識と潜在意識で構成されている。

潜在意識(無意識)とは、感覚や生命活動や記憶などを担当している。
意識していなくても目や耳や鼻や皮膚は感覚を受け続けているし、呼吸や心臓の動きは意識するまでも無く繰り返され、意識に現れていない記憶は頭のどこかに隠されている。
顕在意識は心のうちの10%に過ぎず、残りの90%は潜在意識である。

 

潜在意識は理性的な判断力を持っておらず、与えられたメッセージ(暗示)を何でも素直に受け入れる。
普段は全てのメッセージを顕在意識が受け取り、内容を判断し、顕在意識が正しいと判断したメッセージしか潜在意識には伝えないので、顕在意識と潜在意識が矛盾することはない。

 

もし、顕在意識に邪魔をされずに、直接、潜在意識にメッセージを送ることができれば、顕在意識の判断に反した反応を、潜在意識が担当する範囲に及ぼすことができる。
これが催眠(Hypnosis)という現象であり、メッセージを送る技術のことを催眠法と呼んでいる。

 

顕在意識に邪魔をされないための二種類の方法

1.潜在意識(感覚など)を活発にして顕在意識に弱まってもらう。

トランス状態に誘導する

2.一時的に顕在意識によそ見をしてもらう。

凝視法、驚愕法、混乱法

注)トランス状態とは催眠状態や変性意識状態とも呼ばれ、潜在意識が活発になって顕在意識が弱まった状態のことで、判断をするはずの顕在意識が弱まっているから、メッセージは潜在意識が無批判で受け入れやすくなる。

 

トランス状態には深さがあり、その深度に応じて受け入れやすい暗示が変わる。

浅:運動支配

中:感覚支配、感情支配

深:記憶支配、幻覚支配

 

被暗示性

トランス状態への入りやすさと深くなりやすさは個人差があり、この個人差を被暗示性と呼ぶ。

 

催眠療法士の技術

トランス状態に入れる   (=誘導のやり方)
トランスを深くする    (=深化のやり方)
顕在意識によそ見をさせる (=暗示の入れ方)
トランス状態から抜ける  (=覚醒のやり方)

 

「後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症」

症状
この病気になると背骨の動きが悪くなり、体が硬い、背すじにこりや痛みを生じることがあります。しかし、このような症状は病気でなくても起こりますので、この症状だけでは病気かどうかの判断はできません。
注意が必要な症状は、神経(主に脊髄)が圧迫され神経の働きが低下して起こる、以下の脊髄症状です。

後縦靭帯骨化症で頚椎の脊髄が圧迫されると、手足のしびれ感(ビリビリ、ジンジンしたり感覚が鈍くなる)や手指の細かい運動がぎこちなくなり、しづらくなります(箸がうまく使えない、ボタンの掛け外しがうまくできない)。ほかにも、足がつっぱってつまづきやすい、階段を上り下りがこわくて困難などの歩行障害も出現してきます。

黄色靭帯骨化症でも同様の症状が出現しますが、骨化してくる部位が胸椎に多いので、その場合は足の症状だけで手の症状は出現してきません。
年齢的には40歳以降に発症することがほとんどで、男性にやや多く見られます。正確なデータは少ないですが、50歳以上の4.5%は黄色靱帯が骨化するとの報告があります。ただ、手術に至るような症例は10万人に1人程度で、脊椎の手術を受ける患者さん全体の1%弱であり、重症となるのは比較的まれな疾患です。
胸椎黄色靭帯骨化症の症状
黄色靭帯の骨化は、主に下位胸椎に起こりやすいため、手や腕などの上肢には症状が出ません。初期症状として、下肢の脱力やしびれ、こわばりが挙げられます。また、ときには腰背部の痛みや下肢の痛みが出現してきますが、痛みはない場合が多いです。数十~数百メートル進む度に休まないと歩けない(間欠性跛行/かんけつせいはこう)など、腰部脊柱管狭窄症と同様の症状が現れることもあります。重症になると歩行困難になり、日常生活に障害をきたす状態になります。
原因と病態
背骨の骨と骨の間は靭帯で補強されています。椎体と呼ばれる四角い骨の背中側で脊髄の前側には後縦靭帯が、椎弓と呼ばれる背中側の骨の前側で脊髄の背中側には黄色靭帯という靭帯が存在し、それぞれの骨に適度な動きと安定性をもたらしています。

後縦靭帯は脊髄の前方に位置し、黄色靭帯は脊髄の後方に位置するため、それぞれの靭帯が分厚くなって骨のように硬くなってしまうと脊髄が圧迫されて下記のような症状(脊髄症状)が出現してきます。前者は後縦靭帯骨化症と言い胸椎にも出現しますが頚椎に多い病気で、後者は黄色靭帯骨化症と言い逆に胸椎に多い病気です。

後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症
後縦靭帯骨化症(左)と黄色靭帯骨化症(右)

診断
頚椎に多い後縦靭帯骨化症は通常のX線(レントゲン)検査で見つけることができますが、胸椎に多い黄色靭帯骨化症は通常のX線検査では診断が困難なことが多いです。
通常のX線検査で診断が困難なときは、CT(コンピューター断層検査)やMRI(磁気共鳴撮像検査)などの精査が必要になってきます。CTは骨化の範囲や大きさを判断するのに有用で、MRIは脊髄の圧迫程度を判断するのに有用です。

予防と治療
この病気を完全に予防することはできませんが、症状の悪化を防ぐためには日常生活で以下の点に注意してください。

頚椎後縦靭帯骨化症では、首を後ろに反らせすぎないこと、仕事や遊び、泥酔などにより転倒・転落することで脊髄症状が出現したり悪化したりすることがあり、くれぐれも注意が必要です。前述のような脊髄症状のため日常生活に支障があり、画像上脊髄にある程度の圧迫があれば手術が必要です。頚椎の後縦靭帯骨化症に対する手術法には、首の前を切開する前方法と後ろ側を切開する後方法があり、各々に長所と短所が存在します。

脊椎圧迫骨折 Spinal compression fracture

脊椎圧迫骨折とは
脊椎圧迫骨折とは背骨が押しつぶされて変形してしまう骨折で、骨が弱いお年寄りに多いのが特徴です。尻もちをつくなど転倒が原因で起こることもありますが、重い物を持ったり、せきやくしゃみをしたりなどのちょっとしたきっかけでなることもあります。知らないうちに背骨のつぶれが進行し、背骨が丸くなってしまうこともあります。

治療法
診断と治療は医師の仕事です。レントゲンやCT、MRIを使い診断します。
骨折が見つかれば、多くの場合はコルセットで固定して治します。骨が完全に治るまでは重い物を持ったり、前に強くかがんだりといった、背骨に負担がかかる動作は避けましょう。骨密度が少ない患者さんは担当の医師と相談して、骨粗鬆症の治療を受けることが重要です。
早期発見できればコルセットや薬物治療で治ることが多いですが、なかなか治りにくく、手術しなければならない場合もあります。手術は小さな傷で、骨折部分にセメントを注入する治療から、大きく切開して金具で固定する治療までさまざまです。手術法は患者さんの身体や骨折の状態によって決められます。
整体士が関与できる範囲は少なく、血流を良くして痛みを緩和するのが主な仕事ですが、骨粗鬆症の治療を受けている方も多く、注意が必要です。
施術法は圧迫の少ない標準滾法をメインとします。圧法などは厳禁ですし、体幹に異常がみられる方は施術をお断りするべきでしょう。

馬尾症候群 Cauda equina syndrome

腰痛には、ぎっくり腰のように突然おこる急性腰痛から、繰り返し起きる慢性腰痛症まで種々の症状があります。主な原因は姿勢やストレス、老化(糖化)などに由来する腸腰筋の血行不良です。普通、腰痛は1回の施術で完治するのが普通ですが、そうでない場合も往々にしてあります。整形外科などでレントゲン写真を撮っても異常がみられないことが多いですが、中には器質異常が進んで画像で診断できる場合もありますので、1回で治らないお客様は医師の診断を受けるようお勧めすることも必要です。

馬尾症候群とは

 そのような症状の一つとして、馬尾症候群 Cauda equina syndrome があります。脊椎にはパイプ状の神経の通り道(脊柱管)があり、その中には1本の脊髄と脊髄から分岐した31対の脊髄神経根が内包されています。脊柱管内の脊髄は、第1~2腰椎の高さで終わり、脊髄の下端から下肢へ延びていく脊髄神経根はしばらく脊柱管内を走行したあと、それぞれの高さから分岐します。この腰仙部の脊髄神経根の束は馬の尾っぽに似ていることから、馬尾と呼ばれています。

馬尾の解剖図(腰仙部の硬膜管の内部を背側から見たところ)

何らかの原因により馬尾全体が圧迫されて生じる重篤な神経症状(腰痛や下肢の神経痛・しびれなどの感覚障害、下肢の運動麻痺、尿閉や尿・便失禁、性機能障害など)を馬尾症候群といいます。主な原因には、巨大な椎間板ヘルニアや高度の腰部脊柱管狭窄症、脊髄・脊椎の腫瘍、硬膜外血腫(硬膜と脊柱管の間の血腫)や細菌の感染(化膿性椎間板炎や膿瘍)、外傷による損傷などがあります。

馬尾症候群の診断

馬尾症候群の診断は、医師が行いますが、問診(強い腰下肢痛がある、下肢の感覚が鈍い、足の力が弱い、尿が出ない)と、神経学的検査(筋力テスト、知覚テスト)および膀胱機能検査で診断します。さらに、レントゲン撮影、MRIなど画像検査を行えば、診断は比較的容易です。
原因として膿瘍や転移性腫瘍が疑われる場合には、血液検査や内臓疾患の有無を調べます。

馬尾症候群の治療

馬尾症候群の診断が確定すれば、医師による迅速な治療が必要です。馬尾の腫れを減らすために、ステロイド薬が投与されることがあります。圧迫を軽減する手術はできるだけ早く行わなければなりません。特に、急性に発症した腰椎椎間板ヘルニアや硬膜外血腫、脊椎破裂骨折などが原因の馬尾症候群は、24時間経過すると神経症状の回復が不良とされていますので、緊急手術の対象となります。一方、感染や血液・内臓疾患がその原因であれば、並行して原因となった疾患の治療を行います。

 

医療類似行為における広告の注意点

 整体は医療類似行為である。
したがって、整体院の広告には使ってはいけない表現がある。
整体院の広告表現に規制がある理由は、整体院が提供するサービスが医療類似行にあたるからである。

では、医療類似行為とはなにか?。
医療行為は医師法によって、医師のみができる行為として厳しく定められ、整体院で医療行為を行うことは禁止されている。
整体院で行う施術の目的は「体をいい方向に向かわせること」であり、この点が医療行為と似ているので、医療類似行為と呼ばれる。

医療類似行為の種類
医療類似行為は、法律で認められているものと法律に基づかないものの、2種類があり、法律で認められている医療類似行為とは、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」「柔道整復師」が行うものであり、整体院で行う施術は、法に基づかない医療類似行為である。
法律に基づかない医療類似行為でも、判例により、人の健康を害する恐れがない安全なものであれば開業可能と理解され、開業が認められている。
整体院の提供するサービスが、法に基づかないものの提供が認められていることを踏まえ、広告表現には特に配慮が必要と覚えておきたい。

具体的に、整体院の広告表現の規制に関係している法律は、
・医師法
・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)
・医薬品医療機器法(旧薬事法)
・景品表示法
の4つであり、これに違反していないか確認が必要である。

やってはいけない広告の表現例
誇大広告
経歴・出身校の名称を載せる
具体的な施術内容
治療・治るという表現
医薬品・医療器具ととられるような表現

整体院の広告に載せることができる事項
施術者の氏名
住所・電話番号
施術所(店舗)の名称
施術日(営業日)・営業時間
予約・主張による施術の実施
駐車場の案内

整体院で使える表現
整体院で提供するサービスは、医療行為とは区別されるため、「治る」という医療行為を思わせる表現は禁止である。「改善」「緩和する」「和らぐ」などに置き換えること。

病院などでよく使われる「診察」「診療」「休診」といった表現も、整体院では使用できない。「受付・営業時間」「休業・定休」など、医療を連想させない表現を使う必要がある。

病院では利用者を「患者」と呼ぶが、整体院では「お客様」もしくは「カスタマー」と呼ぼう。

※ 規制の対象となる広告媒体は「チラシ」や「情報誌」での広告であり、ホームページは整体院の広告表現の規制の対象外である。
「経歴」「出身校」「施術方法」「流派や所属学会」「効能・効果」などの、チラシや情報誌に掲載できないこともホームページでは可能である。
ホームページやSNSなどを使いどんどん公開しよう。

今は患者さんが、来院前にホームページで治療院の情報を確認する時代である。

自分の身体の症状は改善するか?(事例)
どんな施術者なのか
どんな雰囲気なのか
料金はどれくらいか
場所はどこにあるのか

以上の条件を満たしていないと、検討の対象にさえならない。

腰椎椎間板ヘルニア完治例

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰や臀部が痛み、下肢に痺れや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなる症状を呈する状態のことを言います。
医師以外のものが、こうすれば病気が治る、・・・・・など、言ってはいけないのが日本の医師法です。したがって、我々整体士は実際にあった治癒例を紹介し、治ることをアッピールしなければならないのです。これを事例研究(case study)といいます。正確に言うと、現実に起こった具体的事例を分析、検討し、その積み重ねによって帰納的に一般的な原理、法則を引き出す研究法のことです。

今回は、Bさん(37歳・女性)の事例です。Bさんは、医師から腰椎椎間板ヘルニアの診断を受け、今年(2019年)3月18日に初回来院されました。医師からは手術を勧められていましたが、最終判断は5月の検査で決めましょうと言われたとのことです。正確な日時は忘れましたが1か月半ほどの期間があったと覚えています。

施術は、理学推拿における標準套路のみで行いました。3/18、3/30、4/7日の三回のご来院後、6月1日に首が痛いと言って来院されました。ヘルニアの検査はどうでした?と質問したところ、「治っているので手術の必要はない」と先生に言われたとのことです。通常は完治に5~8回ほどかかるので、年齢が若いせいもあるがずいぶん早かったな、との感想です。ちなみに首の痛さは、頚椎2番(Second cervical)のズレでした。当然ですが1回の施術で完治しました。

推拿・治癒理論Ⅳ

脳の筋肉制御(ロック)について

筋肉には、強い負荷がかかったときなどの損傷を防ぐため、極度な伸張や収縮にブレーキをかけるメカニズムがある。この安全メカニズムを担うのが、筋紡錘と腱紡錘である。筋紡錘は伸びすぎを、腱紡錘は縮みすぎをコントロールする。

-筋紡錘の役割がかっけの検査でわかる-
筋紡錘は筋肉を作っている筋線維の中にあるセンサー。筋肉が引き伸ばされると、その長さを感知。脊髄に情報を送る。そして、筋肉が伸びすぎて断裂しないように、縮むように指令を出すのです。これは伸張反射と呼ばれる。

筋紡錘の役割がよくわかるのが、かっけの検査である。足が地面に着かない状態で椅子に座って、ひざ下を叩いて瞬間的に足が上がるかを調べる検査。これは膝外腱反射と呼ばれるものである。

膝外腱を叩くと、大腿四頭筋が瞬間的に引き伸ばされる。これを筋紡錘が感知して脊髄に伝えることで、大腿四頭筋に縮むように指令が出るというわけ。こうして、ひざ下部分が跳ね上がるわけである。

-筋紡錘や腱紡錘が無意識に働いている-
ちなみに、伸張反射は脊髄のレベルごとに分担が決まっている。大腿四頭筋はおもに脊髄の中でも腰椎に伝達。そのなかの第4腰神経が担当している。

筋肉に無理な力がかかると筋肉は傷つかないように硬く縮んで筋肉や関節を守ろうとする。硬くなってしまった筋肉には酸素が入りにくくなる。

-酸素欠乏になった筋肉が酸素不足を脳に伝え、脳が痛みを感じる仕組み-
酸素欠乏になった筋肉に血管を拡張させる物質「ブラジキニン」が発生し、同時に発痛物質を脳に送る。脳が受け取った痛みの物質で私たちは痛みを感じるのである。

あるいは筋肉が硬く伸び縮にしにくくなった状態で関節を動かそうとすると関節が壊れるような力がかかり危険信号としての痛みが出る。

筋肉を護るためのスイッチである筋紡錘からの異常信号によって筋線維が縮む。
この脊髄反射が慢性化して脳が筋肉を制御し続ける状態を筆者は「脳の筋肉ロック」と呼ぶ。
硬くなった筋肉を元に戻すのは簡単である。一旦、緩ませればいいのだ。
時間は1分半(~1分40秒)だ、もしくは拮抗筋を5秒ほど緊張させる。両方併用すればさらに良い結果となる。痛みも危険性も全くない、とても安全な手技である。

脳の筋肉制御(ロック)が解除されると筋肉は元の柔軟さを取り戻し酸素と栄養がちゃんと供給されるようになる。酸素と栄養が筋肉に届くようになるとブラジキニンは消えてなくなり痛みは感じなくなる。

自由に動けるようになって痛みも無く、体も軽く痛みやこり、体調不良が軽減しそれらを感じていたことによるストレスが激減する。

同じように、腱にも腱紡錘というの伸展を感知するセンサーがある。腱紡錘は、これ以上、縮みすぎて負荷がかかると筋肉や腱が断裂するという危険を回避。筋肉を弛緩させる指令を出すのです。これは自己抑制と呼ばれる。

私たちの体は、無意識のうちに筋紡錘や腱紡錘が働いてバランスをとっているというわけだ。筋紡錘と腱紡錘の感度は脊髄が調節している。腱紡錘のほうがセンサーの感度が高いため、日常的には筋紡錘と腱防止が同時に働くことはない。つまり、正常なら筋肉は適度に緩んでいるということだ。

推拿・治癒理論Ⅲ

推拿・治癒理論Ⅲ【推拿伝授07】文責:気功整体・癒しの空間 古田島 正敏

その1.人の進化の過程

 人は進化の過程で、直立2足歩行という能力を獲得した。これは、地球という環境に適応し、他の生物との生存競争に打ち勝つための進化であるが、両手が自由になり、道具の使用や手作業が可能となった。その結果として脳が進化し、他の動物には無い、卓越した知能と能力を手に入れたのある。
この進化の過程は、重力という大きな課題との戦いでもあった。物事には常に2面性がつきまとう。よく効く薬にも副作用があるように、知能と引き換えに、失ったものもまた大きいのだ。
失ったものの一つが血流である。
他の動物では背筋、大腰筋(だいようきん、psoas major muscle)は単に体を支え、移動するためだけの働きがあれば良かったが、2足歩行により、抗重力筋として機能することになった。しかし、時間が足りなかったせいか?、4足歩行時の筋肉をそのまま使ったのである。
その結果、大腰筋は恥骨によって曲げられてしまったのである。地球広しといえども曲がった筋肉を持つ動物は人間だけである。
そのうえ、従来の脚を前に持ち上げる機能に加え、重力に逆らい背中を直立させる機能まで背負わされたのである。脊柱起立筋とともに、大腰筋が担う重力は大変なものであり、腰痛が起きるのは当然の結果である。つまり、人間は腰痛と言う宿命を背負って生まれてきたのである。
しかし、人種によっては腰痛に悩まないで済んでいる人たちがいる。いわゆる西洋人と呼ばれる人たちである。その違いは何か?。

 

その2.日本人と西洋人の進化の過程の違い

狩猟民族と農耕民族の差
NHKスペシャル「病の起源」シリーズで、「腰痛ーそれは二足歩行の宿命か」という番組を見た。人類は600万年前に二足歩行を始め、体重がぜんぶ腰や下肢にかかるようになり、腰痛を患うようになった。また手が肩からぶらさがるようになったため、自由に動かせるが、肩こりも起こるようになった。これがほぼ定説である。しかし、番組はこのことに疑問を投げかけた。
人間が二足歩行をするようになってから、背骨をつくる椎骨のあいだのクッションである椎間板に大きな負担がかかるようになり、腰痛が起きるようになった。体重72kgの人の場合、椎間板にかかる負荷は66㎏ほどだそうだ。それが前傾姿勢をとると、いっぺんに235kgに増えるという。なんと3倍以上になる。それは前傾したからだを支えるために背筋群がつよく収縮し、その力で椎間板が圧迫されるからだ。

 このような前傾姿勢を長く続けていると、椎骨が前方にすべったり、椎間板が後方にはみ出したりする。すると神経が締めつけられて腰背痛が起こる。番組ではメソポタミアの遺跡から出土した人骨に腰痛の形跡が見られることを示していた。一日2時間から4時間ぐらい粉を挽く作業をしていたためだろうという。農耕民族は腰を曲げて仕事をすることが多いので、腰痛が持病になってしまうのだ。

これに対して、アフリカの狩猟民族には腰痛がほとんどないという。一日20~30㎞ぐらい歩いて獲物を追いかけるが腰痛がない。腰痛があるのは、木から落ちたり、崖から落ちたりした者だけだった。研究者は、椎間板が適度に刺激されて水分を保ち、劣化しないからだろうと推測している。同じ姿勢を長時間つづける仕事がダメなのだ。
それでは日本人はどちらに属するのか?
われわれは、悪名高い日教組により、「日本人は農耕民族である」と習った。・・・・・とんでもない大嘘である。

 農耕が始まったのは、西洋の方がはるかに昔である。
農耕の起源について、最新の研究では、約1万5000年前に今の中国の長江流域で、稲作が行われていたと判明しているそうであるが、筆者が中学、高校の頃は、シリアのヨルダン川周辺で始まったとされていた。
通説ではあるが、約1万年前に西アジア一帯で麦の栽培が始まり、約6千年前くらいにはヤギ、羊の牧畜と共に、中央アジア、アフリカ、ヨーロッパに広がり、それぞれの地域にあった農耕が定着したそうである。
日本では、縄文時代後期から弥生時代(約2400年前)に農耕が始まったとされているから、どちらにせよ、日本で農耕が始まるはるか以前の時期である。
ちなみに、約1万5000年前に長江流域で起こった稲作がどんどん拡大し、6千年前に山東半島周辺まで広がったそうだが、日本には影響を与えなかったとのことだ。日本人は農耕民族で西洋人は狩猟民族ってのは、大嘘である。

日本人はマンモスを追って日本に渡来した典型的なハンターであり、鹿や猪を追って生活をしていた縄文時代、メソポタミアでは、すでにパンが焼かれていたし、三内丸山で、野山を駆け巡って狩をしていた頃、ローマには、街にパン屋があった。農耕が始まった時期とか地域には諸説あるが、日本で農耕が行われて穀物を食べるはるか以前より、西洋ではすでに農耕が行われていたのは、紛れも無い事実である。そしてこの歴史の違いがインスリンの質の違いとなり、農耕民族=西洋人には肩凝り、腰痛がないのである。

その3.病気の原因

インシュリンの質の差
 ここで人間の生きる力 「源」 をつくるエネルギーの話を挿入しよう。(筆者と同年齢の団塊世代はこの話は聞いておられない方が多いと思うので挿入しました。)

今、人間の力の 源、エネルギーのもとは、糖の分解で、力が湧いてくるという認識がくずれてきている。
「生きる力を作るエネルギー」 は、二重構造になっている」のである。
細胞には、2つのエネルギーが共存しているのである。従来の、糖の分解で力が湧いてくるという、「解糖系のエネルギー」と、もう一つは 「脂肪やたんぱく質、紫外線や野菜に含まれるカリウムなど様々な原料から出来ているエネルギー、即ち持続力のあるエネルギー」 である。
この無酸素で作る解糖系の生命体はブドウ糖だけで生成されている。つまり、糖は、たんなる、瞬発力のエネルギー源にすぎないのである。少し低体温で働き、瞬発力は出るが疲れやすい特徴がある。このような製造過程のため、身体では細胞分裂をする皮膚や骨髄、筋肉では速筋に多く分布している。危険から一目賛に逃げるときや、奮起するとき、瞬発力を発揮するとき、怒るときにはこのエネルギーが使われる。
次に、有酸素で、持続力のあるエネルギーとは、脂肪やたんぱく質、紫外線や野菜に含まれるカリウムなど様々な原料から出来ている。糖の18倍という高効率でエネルギーを生成している。快適な温度(35度以上)のもとで活発に働き、持続力があって疲れにくいのが特徴である。身体では心臓や脳、骨格筋(遅筋)などに多く分布し、日常生活での動作や、リラックスしているときにもこのエネルギーが使われている。
この二重構造のエネルギーの働きは、人間の成長に伴い変過し、男女の差に関与している。幼児や成長期の子供くらいまでは、瞬発力で分裂を繰り返す解糖系のエネルギーで生きているが、大人になるにつれて、持続力の有るエネルギーで生きるようになると、大人らしい落ち着きが出てくる。
解糖系は骨髄や皮膚の細胞の分裂にも使われているので、子供のときは成長を続けているので身長が伸び、皮膚もツヤツヤだが、大人になると、この持続力のあるエネルギーにシフトするので成長が止まり、老人になると分裂の少ない薄い皮膚になる。
男女の生殖器でも違いがあり、分裂の激しい男性の精子は解糖系が優位で、女性の成熟した卵子には持続力のあるエネルギーが極端に多い。
疲れたり、悩んだり、身体を冷やしたり、食生活が乱れるなど、心身のストレスになることは解糖系のエネルギーの頑張りの世界なので、それらのストレスを受けると低体温、低酸素になり、その状態が長く続くと、病気になりやすい。

何故、ここでこの話をしたかと言うと、糖の分解で得られる解糖系エネルギーは膵臓で作られるホルモン「インスリン」によって筋肉に伝達される。インスリンはまた、血液中のブドウ糖「血糖」の量を適正量に調整する役割を担っている。どうやって調整するかと言うと余った血糖を脂肪に変えて蓄積するのだ。
ここでまた話を挿入しよう。インスリンが「血糖」の量を適正量に調整できなかったらどうなるか?、と言う話である。日本人はこのインスリンの分泌量がもともと少なく、欧米人の半分から4分の1程度しかない。またインスリンの質も悪く糖質の分解能も低い。
何故ならば、西洋人が12,000年糖質を摂取し、インスリンの質もよく、分泌量も多いのに比べ、2,400年しか糖を摂取していない日本人はインスリンの質も悪く量も少ないのである。

インスリンは肥満ホルモンでもあるため、西洋人に比較して体も小さく、スリムである。日本人は例外もあるが、太れない体質なのである

分泌量の少なさ=エネルギー不足 を糖質をたくさん摂取することによって補ってきたのが日本人であるが、この糖質過剰摂取が、“糖化”(glycation)を引き起こすのである。グリケーションとは、過剰な血糖が、筋肉や内臓、皮膚、血管などのたんぱく質を時間をかけてやんわりと焦し、固くする現象である。ほぼ老化の原因でもある。筋肉は約1/3がコラーゲンで出来ているがこのコラーゲンを硬化させるのである。そして、脊柱起立筋や大腰筋の“糖化”=硬化が肩凝り、腰痛の原因である。グリケーションには前期と後期があり、糖の摂取を控えれば、前期にはコラーゲンの代謝期間である1年を経過すれば肩凝り、腰痛は消失する。しかし、後期にはコラーゲンはAGEs(最終糖化物質)となり、不可逆性であるため、元には戻らない。
マーカーとなるのは顔の皺である。顔の筋肉(表情筋)組成はコラーゲンが2/3であるため、糖化しやすく、AGEs化すると元には戻らない。つまり、顔に皺のある年代の方は残念ながら整体を受けて楽にはなっても、肩凝り、腰痛が完治することはないのである。

筆者は、肩凝り、腰痛のみではなく、頭痛や生理痛、ひざ痛、癌など、すべての血流障害とそれに伴う病気は、“2足歩行”と“糖化”が原因であると考える。