15歳 猫背の少年

今日、午前中二人目のお客様は「15歳 猫背の少年」でしたん。お母さんと同伴です。お医者様に「骨が曲がっているから治らない」と言われたとのこと。思いつめてご来店されたされた様子です。とんでもないお医者さんですね、・・・・・いつも言ってることですが、生まれつきでない限り、骨はズレたり、曲がったりしません。
骨の異常はほとんどの場合、筋肉の状態が原因で、元を正せば「血流障害」です。
診察してみたら、反り腰猫背でした。
反り腰猫背は、大腰筋が硬直。緊張している状態で、悪い姿勢を続けるのが原因です。
脊柱起立筋を関節滾法したら「痛い」と言われました。さらに、腰の状態を確認するため、関連痛チェックヲしたところ、「痛い」と言われました。
これで確定です。お母さんに、「今日一日で治るけど、生活習慣を改めないとまた出ますよ、脳のはたらきである、ホメオスタシスを再認識させるために2~3回は来てください、年齢に比較し、脊柱起立筋の硬さから、糖質の過剰摂取も原因の一つでしょう。あるいは、スマホの見すぎかも」と言ったら、深くうなずいておられました。施術を終えて、姿勢をみていただいたら、目を輝かせて喜んでおられました。そして、「私もかかりたい・・・・・」と。
本人には予防法として、二つのトレーニングを伝授しました。体が軽いと喜んでいただきました。明日の学習会のテーマにしようと思い、晩酌をしながらこの記事を書いています。

 

、」

 

拇指CM関節炎とばね指について

今日は私事です。左手親指の動きが悪く、ものを握るとき痛みが出るので新津の“あおぞら整形外科”へ行きました。実は右中指にも“ばね指”症状もあったので、湿布薬をもらおうと思ったのです。レントゲンを撮って、左手親指の診断は「拇指CM関節症」と診断されました。
レントゲン写真を見るとCM関節が白く濁っています。素人が見ても明らかに、石灰沈着です。

原因は、加齢と使いすぎだそうです。症状が重ければ“手術”しかないが、軽いし、右手のばね指もあるので湿布を多めに出しておきます。・・・・・で一巻の終わりです。

ぅうむ・・・・・自分で治すしかないか、ならば徹底的に研究してみよう。持前の“ころ、ただ精神”(転んでも、只では起きない・・・・・からの私製造語です。)が持ち上がってきました。

研究の第一歩は、左右の状態の検証からです。左右の肩を大きく回すと右には違和感がありませんが、左は少し痛いです。どうやら、CM関節症の原因は左肩の血流の悪さのようです。棘上筋の硬化と前斜角筋の腫れが疑われます。

左右の肩井のツボを押してみましたが左右の感覚に差はありません。ならば前斜角筋をと押してみると心持左が痛いです。左の前斜角筋を上から下に撫で、左の腕をぶんぶんと大きく何度も回しました。湿布の効果も相乗したと思いますが左親指の痛みは見事に消えました。

今度は、右のばね指です。肩やひざの関節の痛みは引っ張ると消えるので、右中指を何度か引っ張ってみましたが、動かすとまだ痛いです。原因はほかにあるようなのでネットで調べてみたら、「指を曲げる屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)で、それが終わる指の付け根付近に力がかかり炎症を生じやすいところがあり、 その部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると引っ掛かりが生じばね現象が起こる。」とありました。つまり、炎症なんですね、炎症なら押圧で血流を止めれば痛みは止まるのかなと思い、押圧してみましたが若干痛みはやわらぎますが、引っ掛かりは取れません。操体法の理論で行くなら痛くない方に力を入れれば、痛みはやわらぐはずですが、確かに痛みは和らぎますが引っ掛かりは取れません。しょうがないので湿布を張って気長に治すしかないようです。まぁ、血流障害なのでほどほどに使った方がよいのだろうと思います。

 

頭痛を治す上部頚椎の施術について

今回は上部頚椎のズレに対する治療法について述べたいと思います。
毎回言っていることですが、私の整体理論においては、骨格のズレはあまり重要視しません。なぜならば骨格のズレは結果であって不調であることの原因ではないからです。大抵の骨格のズレは標準套路を施術するだけで整います。つまり、血流障害で筋肉が硬くなり骨の配置バランスが崩れただけなので、血流が回復すれば骨格のズレは治るのです。

 何事にも例外はありますが、代表的な例外が、上部頚椎のズレです。
頚椎1番(環椎・アトラス)と2番(軸椎・アクシス)の間には椎間板がありません。首を上下左右に大きく動かすには邪魔だからです。

左図のように歯突起を軸にして大きく動きます。アトラスは大後頭直筋の
裏にあるため頭蓋骨に半分覆われたようになっているので、触診ではわかりにくいので、患者さんの訴えをよく聞くことが大事です。
ズレがはっきりとわかるのは2番・アクシスです。稀ですが3番がずれていることもありますし、2番と3番が反対方向にずれていることもあります。      施術法ですが、整体ベッドの枕を外した水平な状態で、まず、第二頚椎の  突起の位置を確認します。突起の位置により、右または左手の中指を突起に当てがいます。第一頚椎にもズレがあるときは薬指、小指も使います。特に小指はしっかりと喰いこませてください。反対の手でズレのない方の後頭部を支え、両手で頭を持ち上げながら(頚椎の後ろ側を開くイメージ)軸椎突起に強くテンションを掛けます。反対の手を逆方法に廻旋させ、テンションを掛けたまま、そっと降ろし、痛みが取れたか確認します。2番の位置が正常に戻ってもまだ痛みがある場合は、1番のズレが修正されてない状態なので1番の突起に中指または薬指で強くテンションを掛けてもう一度行います。3番も同様に行います。

頭痛の原因のほとんどが“頚椎原性頭痛”と言って上部頚椎のズレです。また、頚椎原性頭痛をきちんと直さず放っておくと頚椎症性脊髄症(けいついしょうせい せきずいしょう)や頚椎症性神経根症(けいついしょうせい しんけいこんしょう)を発症します。
 頚椎症性脊髄症とは、血流障害により椎間板の変性が進み、漏れ出したカルシュウムが原因で、骨がとげ状に大きくなって骨棘(こつきょく)を形成することや、靭帯(じんたい)が厚く硬くなることで、脊柱管にある脊髄が圧迫され、四肢(両方の手脚)に痛みやしびれ、運動障害を生じる疾患です。

頚椎症性神経根症は、頚椎の変性(椎間板ヘルニア、骨棘形成など)により、椎間孔の狭窄が生じ、神経根が圧迫され、主に片側に痛みやしびれが生じる疾患です。

いずれもQOLを大きく損なう重大な病気ですので、お客様にご説明申し上げ、少しでも症状が出たら早めにご来店いただくことが大事だと思います。

整体施術時における心理作用について

自律神経失調症は、推拿施術で顕著に改善します。(治りますの言いたいのですが、医師法の関係で治りますとは言えないのですが、事実を言うことは問題ないのでこういった表現になります。)
 自律神経失調症は、自律神経の乱れによっておこる不快な症状を状態として総体的に呼んでいるだけで、病名ではありません。検査をしても臓器や器官に異常はみつからないのが特徴です。
つまり、自律神経失調症は臓器や器官など物理的な問題ではなく、機能を失調している状態が問題になっているわけなので、何故、機能を失調しているかを考えれば解決可能なはずです。

此処で、似たようなシュチュエイションはないかと考えるとピンとくるのが交感神経の異常昂進です。つまり、猛獣に襲われたり、敵に命を狙われるなど、生命に危険をもたらすほどの事態は、防御反応による一時的な臓器、器官の機能停止を起こします。逃げるための全力疾走は多量の血液を使用するので当然、不要な臓器、器官の血流を止めます。万一けがを負った時のために出血多量で死ぬことを防ぐからでもあります。
このような事態をストレスと言いますが、ストレスには大きく分けて下記の4種類有ります。

1.心のストレス・・・・・人間関係、家族関係、プレッシャー、挫折、喪失など
2.体のストレス・・・・・・・・・・不良姿勢による体のゆがみ、長時間の労働、パソコン・    スマホ、睡眠不足
3.食事のストレス・・・・・暴飲暴食、偏食、水分不足、糖分過剰、添加物、刺激物
4.環境のストレス・・・・・季節の変化、気圧の変化、高温多湿、騒音、自然災害
これらのストレスによる交感神経の異常昂進を止め、臓器、器官の血流を促進し、体と心を修復するのが副交感神経です。そして、この副交感神経を活発にする作用を昂進するのが推拿整体なのです。その機序を見ていきましょう。

 例を挙げれば、初回のお客様に施す、頭部の『気の導引』です。頭頂・百会のツボから親指で頚椎7番まで“気”を導くわけですが、これは単なる儀式ではありません。心理学でいうところの『選択的注意の集中』を導く施術なのです。
座禅などで、『雑念を取り去り“心”を無にする』等と言いますが、とても難しいことの様に思われるでしょうが、お客様はもっぱら受け身の状態です。初めての施術で、これから何をされるのだろうかと一気に注意が集中します。この注意が一点に集中した状態は雑念など浮かぶはずもなく、いわば“心が無”の状態です。
心理学的に言うと46野が機能せず、批判のしようもありません。心が解放された状態ですから当然、副交感神経は優位になり、血流も促進します。
実は、この時点でお客様は軽い催眠状態なのです。続けて行う肩から骨盤にかけての滾法も同様です。血管が開き、中性脂肪が燃え、背中が温かくなります。さらに大腰筋を緩める施術でお客様の被暗示性は頂点に達します。此処でどのようなコミュニケーションをとるべきか?・・・・・その心は、・・・・・次回の学習会でお話ししましょう。

肘(ちゅう)部管症候群について、

 先日、お得意様のS氏が、ご来店されました。定年退職されたばかりの65歳の男性です。在職中はもっぱら腰痛でご来店でしたが、ストレスが無くなったせいか、最近はめったに来られなかったので、体調は如何ですか?とお尋ねしたところ、右手の薬指と小指が痺れて気持ちが悪い・・・・・とおっしゃるのです。
この症状はほぼ間違いなく肘部管症候群です。

 何らかの影響でひじが変形するなどして、肘部管の内部で尺骨神経が圧迫されることで、小指と薬指がしびれたり、感覚が鈍くなったりします。そのままにしていると、指の感覚がほとんどなくなり、指先に力が入らなくなっていきます。最後には掌がやせて骨ばかりになりますので命に別状はありませんが怖い病気です。
 
 この病気は長年、ひじを酷使してきた人に起こりやすいと言われています。ひじを酷使し続けると、やがてひじの骨にとげや出っ張りができたり、ひじ周辺の筋肉が発達したりすることで、肘部管の中の尺骨神経が圧迫されます。また、骨や関節は加齢によって変形しやすくなるため、加齢に伴い発症しやすくなります。特に、中高年に多くみられます。

 

  何か、肘を使う仕事をしましたか?と、質問しましたが「心当たりはない」とおっしゃいました。S氏の場合、前斜角筋と棘上筋も硬かったので胸郭出口の圧迫で血流不足もあったものと思われます。

 肘部管症候群がある人は、ひじを曲げた姿勢を続けると、しびれが強くなります。ひじを曲げると、尺骨神経が伸ばされ、尺骨神経への圧迫が強くなるためです。例えば、本を手で持って読んだり、ほおづえをつく姿勢などで、症状が出やすくなります。このほか、箸を使いにくくなったり、指を広げたり閉じたりしにくくなるなどの症状も現れるようになります。

 尺骨神経は、小指と、薬指の小指側の感覚のほか、手指の根元の筋肉の運動をつかさどる神経にも関係しています。そのため、尺骨神経が圧迫されると、手指をうまく動かせなくなっていくのです。ほっておくと手指の根元の筋肉がやせ、さらには手が全体的にやせていきます。肘部管症候群は、そのままにしていると神経の傷みが進行するため、やがて小指と、薬指の小指側の感覚がほとんどなくなります。また、手指を使う細かい作業が難しくなり、日常生活にかなりの支障をきたすようになります。一般的に神経の回復は1日1mmとされています。神経の障害が始まったひじから指先まではかなり距離があるので、回復には数年かかります。重度の場合は完全に治すことが困難になります。

 

 なので、S氏には、整体1回の施術で直ぐに治るものではありませんが、血流が回復すると症状は和らぎますので、少し時間がかかるけど血流に気を付けていれば心配はありませんよ、と話しました。

 治療法は尺骨側の筋肉に対し、滚法、搓法を行います。

 チェック方法はフローマン・テストと言って図のように紙を引っ張る方法や、肘部管を指ではじいて、小指に痛みが出るか?を確認します。フローマンテストで痛い方の親指が曲がればフローマン徴候陽性と判断します。

 自分で出来る改善法は、神経を回復させる可能性があるビタミンB12の摂取が通行と言われています。

 

 整体業はお客様から健康維持についてのアドバイスを求められることが多々あります。医師法との兼ね合いもあり、『診断』は出来ませんが、正確で的確なアドバイスを行うことでお客様の信頼を得ることは大切な事だと思います。

理学推拿を学ぶ上で参考になる動画集です。

理学推拿を学ぶ上で参考になる動画集のページです。理学推拿研究会 々員限定試聴ビデオです。
徐々に追加していきます。

● 病気の起源・・・・・NHKスペシャルの録画です。私が腰痛治療のヒントを得た貴重な動画です。
● 古田島式O脚改善実技指導ビデオ・・・・・前回学習会の撮影(畑間さん撮影)ビデオです
● 操体法の基本ビデオ・・・・・ 操体法の基本を理解するための教材ビデオです。

● 操体法の実際 第1巻・・・・・操体法の実際を理解するための教材ビデオです。

● 操体法の実際 第2巻・・・・・々

● 操体法の実際 第3巻・・・・・々

● 中国推拿実技・基本編・・・・・一指禅推拿も含む中国推拿全般に共通な手技の基本です。

● 中医正骨・推拿 下・・・・・中国における推拿治療の紹介です。

● 楊秀峰先生の家庭で出来る推拿法・前編・・・・・理学推拿研究会 々員限定視聴版

● 楊秀峰先生の家庭で出来る推拿法・後編・・・・・理学推拿研究会 々員限定視聴版

● 病気の成り立ちを知る・安保徹・・・・・安保徹先生の著書、「病気が治る免疫相談室」のプロモーションビデオです。

● 病気知らずでピンピンコロリ 安保徹「死ぬまで元気な生き方」・・・・・筆者(古田島)が所属する日本ホリスティック医学協会での講演会です。

● 推拿の基本手法・・・・・市川先生の作成ビデオです。

● 滾法の練習・・・・・市川先生の作成ビデオです。

● こん法の姿勢と練習・・・・・椅子で行う滾法です。市川先生の作成ビデオです。

● 保健推拿の套路(抜粋)・・・・・市川先生の作成ビデオです。椅子で行う、肩凝り解消施術などです。

● 中川式ストレッチセミナー 1・・・・・阪神タイガースの専属トレーナーをしておられた中川先生が引退にあたりプレゼントされた動画です。

● 中川式ストレッチセミナー2・・・・・同上

● 中川式ストレッチセミナー3・・・・・同上

● 推拿手法学1・・・・・理学推拿研究会 々員限定視聴版です。

● 推拿手法学2・・・・・同上

● 推拿手法学3・・・・・同上

● 推拿手法学4・・・・・同上

理学推拿 基本に帰って -2-

前回は推拿施術(マッサージ)による筋肉の緩め方と、その機序(推拿理論)について解説したが、筋肉を緩める方法はそれだけではない。今回は体位による筋肉の緩め方について解説したい。解剖学では、筋肉がくっついている両端の骨の部位をそれぞれ、起始(きし)と停止(ていし)といいます。
起始:体の中心に近く、あまり動かない方の付着部
停止:体の中心から遠く、よく動く方の付着部
この起始・停止の距離を短くすると筋肉が弛(たる)みます。弛んだ筋肉は当然緩んでいます。毛細血管を圧迫しませんから血流が増え、ATPが十分供給され疲労した筋肉もたちまち回復します。この状態を90秒保持します。なぜ90秒かと言うと筋肉内の血液が全部入れ替わるのに90秒必要だからです。脳が筋肉の緩みを感知するとホメオスタシスがそれを維持しようとします。

大腰筋を例にとります。左図が大腰筋の起始・停止ですが、正面から見た図でわかりにくいかもしれませんが、恥骨によって“”の字に曲げられています。本来四ツ足だった人間の祖先が二足歩行を始めたからです。

横から見るとこんな感じです。人間に腰痛があるのはこのせいです。本来筋肉は直線で、起始と停止は一直線です。哺乳類でくの字に曲がった筋肉を持っているのは人間だけです。これでは、常に緊張でたまりませんが、これを一直線にしてあげるのが“腹臥位開片脚挙膝”いわゆる“カエルの足”です。
もちろん、これで大腰筋の緊張は取れても背中が硬くて血流が十分でなければすぐにまた緊張しますから、脊柱起立筋を緩めるのは理学推拿の“基本のき”です。大腰筋を例にとりましたが、すべての骨格筋が起始・停止の距離を縮めれば緩みます。ホメオスタシスに楽な状態であることを認識させるため、其のあと、動きの楽な方向に5秒間強く動かしてもらえばよい状態を長く保てるでしょう。

理学推拿 基本に帰って

理学推拿理論を基本に帰って、解説したいと思います。推拿施術において、血流を促進するためには血管を圧迫している硬い筋肉を緩める必要があります。
ここで、何故筋肉は固くなるのか?と言う疑問が起きますので、そこから解説します。
 筋肉の中には“筋節”という節があり、筋肉は張力に応じて筋節数を増減させて長さをコントロールしています。伸ばされる刺激が多いと筋節が増え長くなり、縮めて短い刺激が多いと短くなります。筋肉が付いている関節の動きの幅に比例します。ずっと同じ姿勢でいると、筋肉の動く幅が少ないので、短く硬くなるということです。脳はその状態を記憶し、気づいたらその姿勢になっているというわけです。また、運動していても、筋肉に力を入れる、つまり筋肉を縮める刺激ばかりして、その後の伸ばす運動をしないと短く硬くなります。偏った運動は身体を硬くするということです。
また、筋肉は活動量が減ると筋肉のボリュームも減ります。使わない筋肉は少しずつ萎縮し小さくなります。萎縮が起こると、筋線維の間に隙間ができて、その隙間を埋めるべく筋膜が入って厚くします。筋膜が癒着し筋肉が繊維化していくといわれています。繊維の柔軟性は乏しいので繊維化が進むほど柔軟性は低下します。背中を揉んでコリコリの人は既に線維化しているわけです。
こういう筋肉が短くなった場所がでると、逆に伸ばされた場所もでてきます。伸ばされると縮もうと反射が起きて力が入って筋肉が硬くなります。筋肉が硬いと筋肉内の血管を圧迫して、その場所は血流不足になり、筋肉の栄養であるアデノシン三リン酸(ATP)不足でさらに硬いままになるのです。
また、脳は我慢やストレス状態が続くとマヒさせて凝りがあるのに感じない身体になります。すると、筋肉は本来の弾力を忘れ、弛むと力を入れるの切り替えがうまくできなくなるのです。
では、どうしたらいいか? 基本は姿勢を正すこと(等尺性運動・アイソメトリック)と適度な運動をすることで血行促進することですが、運動は自動である必要はありません。要は筋ポンプ運動ですから他動、つまり他者から筋肉を動かしてもらってもよいわけです。これが、マッサージ理論になるわけですが、ただ筋ポンプ運動をすればよいというものではなく、効率の問題があります。大きいポンプと小さいポンプでは吐出量が違いますし、回転の速いポンプと遅いポンプでも吐出量が全然違います。脊柱起立筋を例にとれば、親指で押す一般的な施術と滚法揺法を用いた推拿施術では雲泥の差が出ます。これが推拿施術の優位性です。
運動も力を入れることよりも、ゆったりと動き遅筋を動かす刺激や可動域を拡げる動作も大切です。遅筋は骨に近い赤身の筋肉に多く、何故赤いかと言うと毛細血管が多いからです。それ故、太極拳の動作は血流促進に理想的なのです。
分厚く なった筋膜は回復に時間がかかりますが、推拿施術と太極拳運動により、理想的な柔らかい筋肉に回復します。人間の細胞は約60兆個あると言われており、この細胞が新しいものに入れ替わっていく活動を、「新陳代謝(しんちんたいしゃ)」と言います。皮膚の場合は28日周期、心臓が22日周期、また筋肉系は約2ヶ月間の周期、骨折に関係のある細胞なら3ヶ月周期という期間を要すると言われておりますが、筋肉の1/3を構成するコラーゲンは約1年周期ですから、完全に柔らかくなるには1年は必要です。さらに、糖化でAGEs化したコラーゲンは代謝はしませんので糖の取りすぎは注意が必要です。ちなみに女性の大敵、顔の皴は表情筋が糖化によりAGEs化したものです。

 

脊柱起立筋について

理学推拿理論において大腰筋とともに重要視される筋肉が脊柱起立筋である。
正確には脊柱起立筋群と言って、表層繊維筋・中層繊維筋・深層繊維筋の三層の総称である。表層繊維は棘筋・最長筋・腸肋筋3つの筋肉からなる。

3つの筋肉のそれぞれが、また、3つのパートに分割されるからややこしい。
主な働きは、背骨を真っ直ぐにして直立姿勢を保つ「抗重力筋(こうじゅうりょくきん)」の働き、物を持ち上げる時に欠かせない筋肉でもある。また、体幹を安定させるための筋肉としての働きもあり、専門的には、この脊柱起立筋は、背骨(脊柱)を動かしたり、安定性を保つことで固有背筋と呼ばれている。それぞれの筋肉の詳細図を掲載する。
左図は棘筋群である。
頸棘筋・胸棘筋・頭棘筋であるが、頭棘筋は半頭棘筋と一体化されている。表層脊柱起立筋の中で最も内側にある筋肉である。

左図は最長筋群である。
頭最長筋、頸最長筋、胸最長筋の3つの筋肉で構成されている。中間に位置する筋肉である。

 

 

左図は腸肋筋群である。頸腸肋筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋の3つの筋肉で構成されている。表層脊柱起立筋の中でいちばん外側にある筋肉である。

 

表層脊柱起立筋群は立ち上がり動作で姿勢を保持する大切な役割を果たし、等尺性収縮をする。
上記脊柱起立筋群は表層繊維と呼ばれるが、脊柱起立筋群は3層あり、その下には中層繊維と深層繊維がある。まとめると、次のようになるが、中間、深層筋の図は細かすぎるので省略する。細かく調べたい場合はググってほしい。

★表層繊維
├腸肋筋
├最長筋
└棘筋

★中層繊維
├回旋筋
├多裂筋
└半棘筋

★深層繊維
├棘間筋
├横突間筋
└肋骨挙筋

上記の3層に分類され、それぞれの役割が違っている。
起立筋表層繊維である最長筋や腸肋筋は、発生学的にみると、魚類や爬虫類においては、背骨をくねらせ、推進力に変えるための原動力として働いていた筋肉であり、人間においても側屈動作において強く働く筋肉となっている。
これらの表層筋は、その起始部と停止部の位置から、椎間関節の関節中心軸の制御機能が低く、脊柱安定化筋としての機能はそれほど高くないとされる。そのため、脊柱を安定させる場合は、起立筋の中層繊維と深層繊維を中心に鍛え、関節中心軸の制御機構を高めていくことが必須になる。

推拿施術においては滚法・揺法の組み合わせ施術で、三層すべてが緩むと考えていいので、これは解剖学的雑学ではある。

整体師になってわかったこと

 工務店を退職後、以前より習っていた「推拿」を武器に整体院をひらいて、早、13年目に入った。お陰様で大勢のお客様においでいただき経営は順調である。開業当初の記録などから当時を振り返って、整体師になってわかったことをいくつかご紹介したい。

整体師になってわかったこと-その1
人間の体は年齢に相応して大きな違いがある。
一例は、筋肉の硬さだ。
筋肉の硬さには、疲労、血流障害によるコリと、老化によるコラーゲンの劣化の硬さの2種類ある。
年齢による違いは、コラーゲンの劣化=老化(=糖化)による硬さの違いである。
たとえば、20代の若者は肩こりや腰痛等、辛い症状を訴えて来店されても、筋肉には部分的にコリはあるものの全体が柔らかく、一見、ぅむ・・・この人どこが悪いの?と思ってしまう。注意深く触ると確かに硬結があり、そこを押すとものすごく痛がられる。
しかし、70代のひとは全身が20代の若者の硬結の何倍も硬いのに、強く押圧しても痛がらないのである。
整体を始めたころの未熟な時には、この違いを理解できなかったのであるが、いまは様々な経験からその理由を理解できるようになった。
一言でいえば、時間をかけてゆっくりと悪くなった状態は、脳は自分の体が「状態が悪い」とは思っていないのである。
体が悪いとの認識を持っていないから、押しても痛がらないのである。
もちろん、認識がないから、悪いところを治そうともしない。すなわち、ホメオシタシス=自然治癒力が働いていないのである。
したがって、年配の人は一発完治は難しいのである。
あえて一発完治をめざすなら、その人の脳に、自分の認識が間違っていたと明確に認識していただく必要があるのだ。